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ファミリアヒーロー  作者: ミシャクジ
未知との遭遇
1/22

〈01〉

平日の午前七時あたりだろうか。


善良な高校二年生、もといこの俺、上下かみもと 左右さすけは今、電車で本を読んでいる。


まあ、本といっても漫画だが。


…ふむ。


……ほう。


漫画を読み終え、学生鞄へしまう。


やっぱり、この作者の漫画は最高だな!


主人公が好意をよせてるあのおしとやかなキャラも可愛いが、ピンク髮でロングヘアーな宇宙人も可愛い。つーかエロい。


……いや、主人公を殺そうとしてる金髪のあの子も最高だ。俺はあの子になら是非殺されたいね。


おい待て、落ち着け俺。主人公の妹のことを忘れるな。なんだあの可愛すぎる生物。七十二時間ほど身体中ペロペロしたい可愛さだ。


「おいっす!」


待てよ、あのツンデレ系風紀委員も可愛いよな……デレた時の破壊力といったら、つい電車内でニヤニヤしちゃった程だ。ハレンチだわ!


「……おい?無視か?」


───そういえば、あのドリルへアーお嬢様キャラが居なかったら、ヒロインたちが温泉でおっぱいを揉み合うシーンがなくなってしまうのか……ありがとうドリルヘアー。マジ感謝。


「…………」


それと、そうそう。新キャラだよ新キャラ。あのピンク髮でロングヘアーな宇宙人の、これまた可愛い妹たち。あの子たちは次巻から活躍するんだよな。


嗚呼、はやく次の話を読みた───お?


突然、何者かに頭部を鷲掴みにされる。


そして、頭部を掴んでる指に力が入れられる。


「えっ、何?……ちょ、痛い!超痛い!頭潰れる!お゛ぉ゛ん゛!」


アイアンクロー。


プロレス技の一つ。


相手の頭部を指の力だけで締め上げる技。


単純、実に単純。


故に、この技の破壊力は使用者の握力に大きく左右され───いだだだ!タンマ!痛い!マジ痛い!痛すぎてモノローグも出来ない!


「にぎゃああああああーーッ!」


「うるせぇな」


アイアンクローさん(仮名)がそう言ったあと、俺はアイアンクローから解放される。


マジに頭が潰れるかと思ったぞ、オイ。


「い、痛え……」


とりあえず、まずはアイアンクローさんのツラを拝んでやろうと思った瞬間。


「オラァ!」


「……ッ!」


アイアンクローさんに腹部を殴られた。もちろんコレも超痛え。


「まったく、挨拶はちゃんとしろよ?」


少し低めな女性の声が聞こえる。


このパンチ……この声……ハッ!


俺はアイアンクローさんの正体に気づく。


「朝から何しやがる、芍薬!」


「何って、挨拶だよ」


いやいやいや、挨拶ってお前……。


お前はアレか?拳でしか語り合えない不器用な人間なのか?いくらなんでも不器用過ぎだろ。ラオウでも挨拶ぐらいできるぞ。


──芍薬しゃくやく 牡丹ぼたん


高校で知り合った俺の友人である。


名前とは裏腹にバイオレンスな性格をしている。


深紅のショートボブとレモン色の瞳がトレードマーク。


スタイルとルックス共に、誰もが羨む程美しい。


正直、スタイルが良過ぎてセーラー服が似合ってないレベル。


……だが、とんでもないレベルの戦闘狂。女子高生が休日にストリートファイトしてるってどうよ。


たしか座右の銘が『私より強い奴に会いに行く』だった気がする。殺意の波動には目覚めないでね?


そんな彼女と電車で遭遇。


……とりあえず挨拶するか。


これ以上痛いのは嫌だし。


「おはよう」


「おう!おいっす!」


ニカッ!っと笑いながら挨拶をし返す芍薬。


戦闘狂じゃなければなあ……こんなにも可愛いのになあ……。


「なあサスケ、今日提出の宿題って無かったよな?」


「無いだろ、多分」


「そっか、なら良かった!」


俺は適当に答える。


普通の時の笑顔は可愛いんだがなあ……。


「あ、そうそう芍薬」


「ん?なんだ?」


「シーチキンとツナの違いって、知ってるか?」


二人でくだらない事を話しながら、学校行きの電車に揺られる。


芍薬は本当にくだらない事でも、全力でリアクションしてくれるから一緒に会話してて楽しい。


マジに戦闘狂じゃなければな……。

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