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主人公たる少年少女
第九章【主人公たる少年少女】
わかってた
私に人並みの恋なんて無理
僕は正しく愛せない
だけど巡り合えたから
私は彼に恋をした
僕は彼女を愛した
積み重ねた時間は長くない
けれど、紡いだ時間は充分で
恋を知った私は強くなった
愛を知った僕は弱くなった
普通ではないかもしれない
理解してもらえないかもしれない
これから、もっと素敵な人に出会うかもしれない
それでも、もう、わかってる
私は彼だから惹かれてしまう
僕には彼女しかいない
誰に何を言われても
頭では違う正解が出ていたとしても
彼が
彼女が
私の、僕の、いない世界を選んだとしても
どうしようもないから、もう、気付いてた
私は彼を愛してる
僕は彼女が恋しい
