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黎明少年
第四章【黎明少年】
朝が来るのを待っているのか
夜が明けるのを待っているのか
不意に考えることがある。
静まり返った空を見上げて
冷たい床に寝転がって
唐突に待ち侘びている方を迷う。
多分、どちらでもないのだ。
朝と夜はふたつで一対。
だからどちらも嫌いじゃないし、好きでもない。
ずっとそうだから、これからもそう。
なのに
近頃の僕は星が騒ぐとカーテンを閉める。
そしてまたふと考える。
なんでだろう、と。
彼女の声や文字で『おやすみ』が届くと
僕は何故だかとても素直に『そうか』と思い
『また明日』と返事をする。
また、明日。
僕は一体、どちらを待っているのだろう。




