☆第四章☆
私の名前は櫻 舞。
お兄ちゃんに恋をしております。
陸斗からの告白があってから、今日で10日目になります。体調はすっかり元通りになりました。
─心の中はぐちゃぐちゃなんですけどね。
陸斗と顔を合わせる、そう考えるだけで気が重いです。
早く会いに行かないといけない、そんなことはわかってるんです。でも私は、自分の中で言い訳をしてしまいました。情けないです。
陸斗は、どんな気持ちなのでしょうか。
これまで、私だけが苦しいかのようにつづってしまったのですが・・・陸斗も、苦しいはずなんです。
自分が告白したことによって相手が引きこもってしまう─。
陸斗が、責任を感じてないはずがないんです。
そして今日。
早く、早くとあせる気持ちが、やっとのことで私を陸斗の家へとむかわせました。
ピーンポーン・・・
いつものインターホンを鳴らしました。
返事は、なかったです。
もう一度、鳴らしてみます。
返事は、ないです。
私は不安になって、何度も何度もインターホンを鳴らしました。
留守なのかもしれない。そう思って、車があるかどうか確認しました。
ちゃんと、あります。
自転車は?
ちゃんと、あります。
電気は?
カーテンがしまっててわかんないです。
えっ・・・
カーテンが、しまってる?!
陸斗、小さいときに言ってました。
『なんでカーテンしめないの?まぶしいのに』
『そんなの、俺の勝手じゃん?』
『ねぇ、なんでなんで??』
『・・・なんっつーか、さ。外見えたほうが気持ちいいし、なんか知んねぇけど、心が軽くなる気がするんだよな』
『なにそれぇ?』
『るせっほっとけ馬鹿』
赤面しながら、はっきりと言っていたのを、覚えています。
あれから、カーテンがしまっていた陸斗の部屋はみてません。
だから、カーテンがしまっているのは、おかしいんです。
「陸斗・・・。」
私はつぶやいて、メモを取り出しました。
手紙、おいていくことにします。
*陸斗へ
明日の午後4時頃、子どものときいつも遊んでた公園に来てほしいの。
よろしく。
追記:逃げたりして、ごめんね。
舞より*
これで、いいはずです。
きっと、陸斗は来てくれます。
待ってるですよ、陸斗。
私、ちゃんと向き合うですので。
最後まで読んでくださり、感謝しますです(*^ ^*)