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15.

「ざっくりと、どの程度の効果のものを標準とするかだけでも決めておくか」

 そう切り出したのは、魔術団長だった。腕を組みながら、周囲をゆっくりと見渡す。

「お守りの存在を一部にしか公表しないなら、それなりに強力でもいいかなと思うんだが、お前らはどう思う?」

「そうですね」

 パスカルが応じて続ける。

「騎士団長の攻撃を三度防げることをお守りの基準にするのが、騎士団側としては分かりやすいかもしれません」

「それなら、まずは騎士団長の攻撃力の測定が必要になりますね」

 アランの冷静な言葉が、次の段取りを描き出す。

「そこから耐えられる魔力量を逆算して、さらに耐久テストを行う必要があるかと。あとは……略奪への対策も検討します」


「攻撃力測定と耐久テストは、騎士団側で行うぞ」

 騎士団長が息巻いて言った後、ふと眉をひそめた。

「ただな、あまり俺ら二人が関わりすぎると――あいつらに見つかりそうじゃないか?」

 俺も思った、と、魔術団長がうなずく。

「いっそ、あいつらも巻き込むってのはどうだ?」

「あいつらって言っても、みんなはわからないだろう」

 そう言って魔術団長は、ちらりとアランを見る。

「悪いが、副団長を呼んできてくれ。まとめて説明する」


 アランは席を立ち、やがて魔術副団長を連れて戻ってきた。全員が席についたのを確認すると、魔術団長が口を開く。

「よし、ざっくり説明していく。まずはこの国の“団”制度についてだ。

 第1騎士団、第2騎士団、第3騎士団。それと対応する形で、第1魔術団、第2魔術団、第3魔術団がある。これらをまとめて、それぞれ“1団”、“2団”、“3団”と呼んでいるのは知ってるな?」

 一同が頷くのを確認し、魔術団長は続けた。

「なぜこんなに面倒なつくりになっているかというと――王位継承者が関係している。王には、騎士と魔術、両方を率いる器が求められるからだ。この国では、十五歳を迎えた王子に“団”の運営の一部を任せる。運営手腕や外交能力などを総合的に見て、最終的に皇太子が決まる仕組みだ」

 そこまで言って、魔術団長はひと呼吸置いた。次の言葉を慎重に選ぶかのように、静かに続ける。

「つまり、王子のいる団には、王子の側近候補や、いわゆる“影”と呼ばれる隠密部隊が配属される。そして……我が“2団”は、先日グレッグ王子の直轄になることが内定した」

 一瞬で場の空気が張り詰める。

「この件はまだ公にされていない。他言無用で頼む。……でな、このタイミングで団長二人が頻繁に動いていたら、どう見ても怪しいだろ? だからこそ、王子側にお守りの件を報告しておきたい」



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