44話 天方蓮という男(下)
警察から釈放され、俺はなぜかドラギア王国のフィヴェリア大使館に連れてこられた。
目の前には俺とさほど歳の離れていないだろう少女。
名を内宮真奈と言った。
「さて、詳しい話をしようかしら。」
促されたので椅子に座る。
周りには警備員が2人程、なぜこんなに監視されてんだ?
「まず、あなたの家族について調べさせてもらったけど、あなたの一家は『時空』と『奇跡』を司る"何か″が働いてるわ。」
初手からぶっ飛びすぎでは?
SFにも程があるだろ……
「待て待て、情報源はどこだ!
ウチはどこにでもある平穏な家庭だぞ!?」
「ソースは世界樹よ。
ワタシ、理の神王だから分かるのよね。」
神王、
聞いた事がある。
万物を超越した存在の総称だとか……
「あのなぁ、ちょっとはマシなウソ付けないのか?」
「そうね、
常人には理解し難い話だったカモ……」
真奈は少し考える仕草をしてからこう言った。
「なら、ワタシと戦ってみる?」
「……は?俺が?お前と?
ははっ、流石にそれは可哀想だよ。」
あいにく、女子に手を出す程愚かじゃないさ。
「ふーん、ちょっと頭来たわ。
全力でかかって来なさい!ボコボコにするから!」
本当に戦う流れ……?
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数分後
俺は地面に突っ伏して倒れていた。
「ありえないだろ、
女に、ましてや子供に負けるとか……」
俺はつくづくバカなのだと思い知った。
「これで分かった?ワタシは神王なのよ。」
真奈は息1つ乱れていなかった。
「分かったよ、話を聞いてやる。」
「契約成立ね!
今日からあなたはワタシの弟子!」
もうめんどくさいからそれでいいや……
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「さっきの話だけど、
あなたが1年後のドラギアにいる理由は『時空』の力の影響だと思うわ。」
何度聴いても理解できん。
「本当に俺の家族は特別な力があるのか?」
「んー、力というにはちょっと違うわね。
あなたの代から旧に発現した特異点というカンジかしら。」
ますます分からないな。
「まぁ簡単に言ったらあなたの家族が主人公って事よ。
よくあるでしょ?主人公補正とか。」
「ねぇよ。」
素でツッコんでしまった
「多分奇跡の一部よ。
それがあなたの"運命″だったの。
これからあなたは運命の原理を探ればいい。
自分の起源について、ね。」
それが理の神王の能力なのだという。
自分の成長の為に俺の起源を探ってくれるそうだ。
それっていいように利用されているのでは?
まぁいいか!
俺は内宮真奈の弟子となり、世界を巡った。
争い、破壊、それこそ奇跡等もあった。
旅の終着点、俺らはドラギアに帰ってきて魔王の配下を殺して周った。
フィヴェリアだけでなく、ドラギアにも魔王の手が伸びていた。
俺はそこで、「神王の力を授かった。」
自身の起源を知ったのだ……
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現在
「どうだ?俺が今まで何をしてたか分かったか?」
回想を終えた兄貴はふぅと一息つく。
「ぜんっぜん分かんねぇよ!?
後半ざっくりし過ぎだし意味が分からん!
奇跡とか起源とかなんだよ!」
思わず激昂してしまったが周りのみんなも頷いている。
「まだ話す時じゃない、って事だよ。」
わざとらしくウインクする兄貴。
なんだろう、こんなにウザかったっけ?
「まぁ詳しい事は真奈に聞いてくれ、
俺は話し上手じゃないんだ。」
丸投げしたぞコイツ
「それで?お前らは何しに俺に逢いに来たんだ?」
しれっと話変えたぞ、
何しにってそりゃあ……
「修行しに来たんだよ、
ドラギア様から業炎の神王の元で暁の力を手に入れるって試練を出されたんだ。」
兄貴は「ドラギアが?」等とブツブツ言っている
少し考えた兄貴は俺達を見回す。
「いいけどよ、暁の力は勇剣のヤツしか手に入れられないぜ?
誰か勇剣のヤツがいるのか?」
はっ、兄貴は見る目が無いなぁ。
「そりゃあ俺だよ!
俺が暁の力を授かりに来たんだ!」
すると兄貴はニヤリと笑う
「へぇ、なるほどな。
それならドラギアが俺の元に寄越した理由も分かる。
いいぜ、お前に過酷な訓練をくれてやる!」
兄貴、天方蓮に助けられて数時間、
俺たちはドライア山頂上の山小屋(隠れ家らしい)に拠点を移す事になった。
俺はこの時予想もしていなかった、
とんでもなく過酷な試練が待ち受けている事を……
蓮とドラギアは戦った事があるが、ドラギアが蓮の実力を認める形で終了した。
ちなみに蓮とドラギアが戦ったのは蓮が神王になる前。
回想の中の真奈が「奇跡」や「時空」などと言ってますが蓮もよく分かって無い様子。
「起源」については解らされた。




