43話 天方蓮という男(上)
10年前
天方蓮は広い世界に希望を抱いていた。
11歳で勇剣になった蓮はギルドで話題になり、子供たちの憧れになった。
だからだろうか、蓮は浮かれていたのだ。
家族の反対を押し切り、家を出て本格的な冒険者となった。
だがしかし、挫折したのだ。
普通に考えれば当たり前である。まだ11の子供なのだ。社会を知らなすぎた。
それゆえ騙され、絶望する。
自分に才能があるなど思い上がりも甚だしい。
所詮、子供は子供である。
人に疲れた蓮は家に帰ろうと考えた。
いや待て、そんな金は無いぞ?
悪い大人達に取られたのだ。
「ははっ、俺は何をしてるんだろうな……」
一文無しには明日も無し。
金の無い蓮は盗みを働いた。
もちろんスグにバレた。
警察行きである。
俺は近くの交番らしき場所に連行される。
「キミ、名前は?家の人呼べる?」
「天方蓮です……、家は、フィヴェリアにあります。」
警察たちがザワつく。
何故だろう、驚かれる事言ったかな?
「あのねぇ、フィヴェリアは別の惑星の町だろ?ここはドラギアだからね?どうやって来たんだい?」
……は?
ドラギアだと?
どうして俺は惑星間移動してるんだ!?
「そんなはずが無い!昨日までフィヴェリアに居たはずじゃ?」
実際の所、蓮もよく覚えてないのだ。
盗みを働く前まで意識が朦朧としていたから。
考えれば変な話だ。
家を出たのは一昨日のはず。
人に疲れる程、旅をしただろうか。
「あの、今日って何年の何日ですか?」
「?新暦109年の3月14日だが?」
うーん?
109年?俺が家を出たのは108年のハズ……
1年経ってる!?
俺がパニクっていると……
「ちょっといいかしら!」
バンッ!と勢いよく扉が開かれる。
そこにいたのは俺と同じくらいの背丈に見える少女だった。
「真奈様!?何故此方に!?」
「ちょっと野暮用でね、そこのガキ連れて行っていい?」
失礼だなこのガキ、一体誰なんだ……?
「えぇ、構いませんが、どうするおつもりで?」
「私の弟子にするつもりよ、構わないでしょ?」
そして俺は内宮真奈に拾われたのだ。
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現在
「ここまで質問は無いか?」
「ありまくりだよ!!!」
俺たちは兄貴の隠れ家で謎の回想を聞いていた。
兄貴が家を出た理由初めて聞いたな、
思ってたより兄貴もバカなんだな……
「あの頃の俺はバカだったよなぁ、何も考えずに家を出たりしてさぁ。世界に希望を抱いてたって、笑っちゃうよな?」
「いや、笑っちゃうよな?じゃなくて!そこじゃなくて!真奈ちゃんの弟子だったのかって所とか、時空がぶっ飛んでる所だよ!」
光が激しめにツッコミを入れる。
「俺は弟子だったつもりは無いけどな?
アイツに色々教えてもらったのは確かだな。
それじゃ、回想後半戦行くか!」
まさかの2部構成だった……
後半に続く!
ちなみに暁斗のいる時空は新暦119年。
新暦は銀河共通の暦。




