38話 しっかりめの
「……玲二さん?」
扉を開けると、そこには部屋着姿の玲二さんがいた。
「ヒトチガイデス……」
「流石にそれは無理があるでしょ!?」
というかなんで玲二さんがここに……?
「なんでこの村にいるんですか?
もしかして俺達のサポートとか?」
「まぁ、そんなとこだよ。
とりあえず入ったらどうだ?」
俺達は玲二さんの家にお邪魔する事になった。
何気に人の家にお邪魔するの初めてだな。(夜城さんの家は除く)
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「「「「お邪魔しまーす」」」」
結構綺麗にされているな
「まぁ、なんだ。とりあえず座ってくれ。」
ソワソワしている俺達を座布団に誘導する。
「そう言えば前より話し方フラットですよね?
嬉しいです!」
「あ、悪い。素だったわ。」
神王の元に使えてる魔術師でも素は普通なんだな。
「それで、俺がここにいる理由なんだが、
内宮様に「アイツら心配だからアナタも行きなさい!」って言われてな。」
んー?
真奈ったら過保護過ぎないか?
「村でヒーロー扱いされてる理由なんだが……」
ん?あれ、回想入るカンジ?
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俺は今困っている。
村長に呼び出されているからだ。
遡ること10分前
転移魔法でこの村に着いた瞬間に悲鳴が聞こえたのだ。
「誰か、そいつを捕まえて!」
強盗らしい
俺は近くに落ちていた「木の棒」に魔術をかけて強盗目掛けて振りかざす。
それが悪かったのだ。
瞬く間に強盗は倒れ、辺りに人が集まる
「アナタがやったの?」「ここまで強い人見た事ない!」「ヒーローだ!」 などなど
ここまでは良かったのだ、だが誰かが呟いた。
「素晴らしい剣士様だ」 と
とんでもない、俺は魔術師だ。
だが時すでに遅し。
すっかり剣士として持て囃され村長の元に招待された。
「アナタの様な剣士を待っていた!
アナタには村の護衛をお願いしたい!もちろんタダとは言わない!望むものを用意しよう!」
だそうだ。
そこで俺は聞いた。
「ならば業炎の神王について情報をお持ちではありませんか?」
悲しい事になんの成果も無かった
考えてみれば当たり前だ。俺ぐらいでチヤホヤされるぐらいだからな。
神王が居たならここまでは持て囃されないだろう。
だが同時に悲しいと思った。
神王は何をしているのか、ドラゴンに怯えるこの村を何故守らないのか。
そして俺はこの村の護衛になった。
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「って感じの理由だな。」
あれ、思ったよりしっかりめの回想だったな……
「なるほど、それはいいんですけど剣士って部分を否定しないんですか?」
「悪い気はしないからな。」
なにちょっと照れてんすか……
「それにしてもこんなにニーウ山脈に近いのに神王の情報無しかー。ちょっと拍子抜けね」
やれやれ、と夜城さんが言う。
あ、そうだ。
「いでよウヴァル」
ドォン!!!
辺りに激しい風が吹く
まじか、本当に来るとは……
玲二さんマジビビりしてるよ……
「どうした?どんな用だ?」
こうなるとヤバい召喚獣だよなコイツ
「あぁ、大した用じゃないんだけどこの辺りで神王の痕跡とか辿る事とか出来ないか?」
「なんだ、そんな事か!任せとけ!
フハハハ!」
そう言ってどこかへ行ってしまった。
最初からこうすれば良かったのか
「あのなぁ、アイツを呼ぶなら一言掛けてくれ。
マジで怖かっただろ……」
「ごめんなさい……」
すっかり滅入ってしまったようだ
ちなみに光とアリスも涙目になってる。
夜城さんはゲラゲラ笑ってる。
「それにアイツは悪魔だぞ?
怖くないのかよ」
「だってアイツ俺と契約してますし、多分平気ですよ。」
「軽すぎだろ……」
なんやかんや玲二さんと仲良くなった1日だった。




