20話 魔王軍前線
「初めまして、転移魔術師の
三笠 玲二です。」
そう言って紹介されたのは気だるそうな青年だった。
まぁ俺より年上だろうけど、
「全員、魔法陣の上に乗ってください。
はみ出ないようにね。」
玲二さんが杖を地面に叩きつけると、
青白い魔法陣が出てきた。
俺たちは魔法陣に乗った。
「それじゃあ、転移させますね。」
玲二さんも着いてくるみたいだ。
まぁ玲二さんがいないと帰れないからな、
「玲二は戦闘も出来るから、まぁ死にはしないでしょうね。
でも、くれぐれも気をつけてね。」
真奈がお見送りをしてくれる。
「あぁ、終わり次第また来るよ。」
「またね、真奈ちゃん!」
「うん、またね!」
魔法陣が白く光り始める
やがて光は俺たちを包み込み……
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目を開けると、そこに広がっていたのは
「絶望」だった。
「……は?」
辺りには魔物、魔物、魔物
そして、血まみれの死体。
そんなのがあちこちに広がっているのだ。
俺は後悔した。
ここは、生半可な気持ちで来ていい場所じゃない。
モチロン、生半可な気持ちでは無かったが、
覚悟が足りなかった。
甘く見過ぎていた。
「うっ……!」
俺と光がほぼ同時に口を抑える。
今にでも吐きそうだ。
夜城さんとアリスは絶望と諦めの顔をしていた。
「おぅええぇぇ……」
吐いてしまった、
情けなくて嫌になる。
中央大陸に向かう船で夜城さんが言っていたでは無いか。
目を逸らしちゃダメだ、と。
吐いてスッキリしたせいか、ちょっとだけ落ち着いた。
くそ、なんでこんな事に、
今まで魔王軍はここまでの勢力を持っていなかったはずじゃ……、
違う、元からこれほどの勢力はあったんだ。
でも見せてこなかった、
人類を欺く為に。
でも、なんでこのタイミングで?
「2人とも大丈夫?」
夜城さんが声をかけてくれた。
横を見ると、光も落ち着いたみたいだ。
「はい、なんとか……」
「そっか、それじゃあ行くよ、
まだ生き残ってる冒険者がいるかもしれない。」
「分かりました、そのために来たんですもんね。」
俺たちは移動を始めた
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道中の敵は強かった。
普通の魔物とは明らかに違う。
「知性」があった。
しかも、どの魔物もC〜Bクラスの魔物
確かに普通の冒険者にはキツかった。
俺たちのパーティは平均実力がSクラスだから問題無かったのだが、
特に夜城さんと玲二さんが桁違いだった。
夜城さんは現役冒険者では無いものの、
Sランク冒険者なので強い。
槌使いとは思えない程、身のこなしが軽い。
玲二さんはもっと強かった。
さすがは転移魔術師。
どの魔法も上級だった。
しばらく歩いていると、数人の冒険者が戦っている所に数回遭遇した。
俺たちが助けてあげると、安心したのか泣き出す冒険者も居た。
出会った冒険者は、玲二さんが冒険者ギルドに転移させてあげた。
しばらく魔物を倒しながら歩いていると、知ってる顔を見つけた。
「あれ?あれってサリアさんじゃないですか?」
「あ、本当だ。仲間が見当たらないけど、別々で戦ってるのかな?」
戦闘が終わったサリアさんはコチラに気づいた。
「あれ?もうみんな来たんだ、ははっ、
見苦しい所をお見せしたね。」
「全然見苦しくなんか無かったですよ!
むしろかっこよかった!」
「そうか?それなら良かった。」
サリアさんは優しく微笑んでくれた。
アカン、惚れてまう……
「他のパーティメンバーはどこにいるの?」
ふと夜城さんが聞いた
「あぁ、俺以外に6人居たんだけど、
2人死んじゃってね……
みんな先に帰ったよ……」
サリアさんが辛そうな顔をしている
仲間が死ぬ苦しみは相当なものだろう……
「そうだったんだ。
ごめん、悪い事聞いちゃったね。」
「いやいや、こうなったのは僕のせいだし。
そもそも全盛期の「世救の鏡」なら死者も出なかったよ。」
「そんな事言わないでよ……、」
夜城さんも辛そうだ。
こっちも胸が苦しくなる。
「そう言えば、盾使いの青年を見なかった?
アタシ達の仲間なんだけど」
「あー、なんかいたね。
血だらけで盾と刀を振っていたよ。」
そう言えば、
魔王討伐侍は刀の練習をしてたな。
生きてるのか、良かった。
「俺が案内するよ。
一緒に行動する方が安全だろ?」
「そうだね、一緒に行こっか」
俺たちは、サリアさんと共に行動する事になった。
おそらく誰もが忘れていたであろう魔王討伐侍




