19話 未知の力
激闘は続いていた
第一印象は少しかっこいい少年だった。
でも戦い始めてからやっぱり分かった。
暁斗は"彼”の弟だ。
「ねぇ!暁斗!あなたお兄さんがいるでしょ?」
ワタシは聞いてみた
「はぁ!?なんで!今!そんな事聞くんだよ!
いるけどっ!」
やっぱり。
「油断したら危ねぇぞ!!!
「火導弾」!!」
目くらましか。
「「理の万象」」
「そればっかじゃねぇか!
ずりぃぞ!!」
ふふっ
ふはははっ
いいね
面白くなって来た
ここまで兄弟って物は似てるのか。
「あなた、業炎の神王について知ってる?」
「知るかよ!」
斬撃が飛んでくる。
いつの間にか間合いに入られていた様だ。
「殺剣の槍」
「!?」
ワタシの出した槍によって攻撃が弾かれる。
理の神王の力は主に2つ
世界樹にアクセス出来る力と、
虚空から有機物を生み出す力だ。
有機物というのは、自身の所持している物のみ。
そして、この世界に存在しない物質は無理である。
ふと彼を見た。
今まで走り回っていた暁斗の足が止まった。
「お前さ?リアルタイムで世界樹にアクセスしてるな?」
バレた。
素人に。
ワタシの力が。
「ふっ、やっぱりやるわね。
正解よ。
リアルタイムで君がどんな動きをするか見ているのよ。」
「ラチがあかねぇよな。
"本気”出すぞ?」
次の瞬間、
空気が変わった。
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俺は今、膨大な魔力を放っている。
理由は分からない。
先程から口調もおかしい気がする。
なんと言うか、ガキっぽい。
これが俺の本性なのだろうか。
ちょっとやだな。
「うっわぁ、何それ?
どうやってるの?」
「さぁ?内に秘めていた力でも溢れてるんじゃないか?」
内宮真奈はさっきから、
偽神の……?いやいや、そんなはず、
等とブツブツ言ってる。
戦いに集中して欲しいな
「俺の本気をぶつけるぞ、覚悟はいいか?」
「……まぁ、やってみなさい!」
俺は全ての力を剣に込める。
集中して、正確に……
「剣技、紅天神撃!!!」
凄まじい魔力が剣先と共に放たれる。
俺はこんな技、修得していなかったはずだが……
「……!!
「覇天の理剣」!」
内宮真奈の刃と交差する
絶対に負けたくない。
光が放たれた
刹那、内宮真奈の刃が砕けた。
「はは、ふははっ
ワタシの負けね、ふふっ、完敗よ。」
どこがだよ。
途中まで俺が追い詰められてただろ。
というか何が面白いんだ……
なんか安心したら眠くなって来たな……、
そこで視界が暗転した。
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目が覚めると、
俺はアリスの膝の上だった。
「あ、起きた?
えっと、その、かっこよかったよ?」
頬を赤らめている。
天使か。
「あぁ、ありがとう。」
俺は重い頭を上げる
目の前には内宮真奈が座っていた。
「あなた、面白い力を持ってるわね?
でも、あれはあなた自身の力じゃない、
そして、さっきのあなたは正気じゃなかった。」
悪口か?
正気だったのだが。
「あの力は、よく分からなくて、
気づいたら凄い魔力が出てて……」
「世界樹であなたの記録を少し見させてもらったわ。
あなた、どうやら生まれて来る前の記録があるみたいなの。
ボヤけてて、よく見えなかったけど。」
生まれる前にも記録がある?
生まれる前からこの世界に居たという事だろうか
「少し調べさせてもらっていい?
さっきの力の正体も分かるかもしれないし、」
「まぁ、調べるぐらいなら全然大丈夫ですけど」
「本当?ありがとう!それと、敬語に戻ってるわよ?」
本当だ。
「あ、あぁ、なんか慣れないな……」
「あなたたち、魔王軍前線に向かってるんでしょ?
うちの転移魔術師に送らせようか?
行き帰り込で。」
「本当?そうしてくれると助かるわ。」
そう言ったのは夜城さんだ。
考えてみれば夜城さんはここに来てからあまり喋って無かったな。
光は割と、はしゃいでたが……
「えぇ、その様に手配するわ。
少し待っててね。」
俺たちは、思っていたよりも早く魔王軍前線に着けそうだ。




