10話 破壊
気づいた時には遅かった
ベッドが壊れた
アリスの目が血走る
カラダ中に紫色のヒビが入る
この旅はアリスには負担だったんだ
どうする
どうすれば……!
「アリス!しっかりしろ!」
とりあえず距離を取らなければ……
「『荒暴風』!!!」
よし、風魔法なら近づけない
でも長くは持たない
「『零下氷結』!!!」
アリスの手を氷魔法で固定する
気が進まないが、一旦気絶させるしかない
「ごめんね、暁斗……」
謝るな、お前は悪くない
剣の柄で首裏を突く
アリスは気絶した
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部屋を元通りにしてアリスをベッドに眠らせる
やっぱり無理し過ぎたのだろうか
旅を甘く見ていた
南大陸を旅しただけで過信していた
アリスにはペースが早かったんだ
起きたら謝らないとな
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やけにリアルな景色
だが一瞬で夢だと分かった
またあの夢だ
暁斗達に出会ってからは見ていなかったのに
忘れてた頃にやってくる
本当に趣味が悪い
ようやく忘れられたと思ったのに
私はどうやってもこの悪夢からは逃れられないんだ
"何か”が追いかけてくる
逃げても、逃げても
逃げ場など無いと言わんばかりに
もうやだ
いっそ死にたい
刹那
視界がブレた
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目が覚めると円柱形の密閉された空間にいた
否、目は覚めていない
意識が切り替わったのだ
「初めまして、よね?」
後ろから声を掛けられた
気配がしなかったからびっくりした
私以外に誰かいる?
「ごめんなさい、
意図的に貴方をこの空間に呼び出してるの
私の名前は内宮真奈、よろしくね?」
「あ、アリス=リベルです
真奈さんは私になんの用ですか?」
「あんまり混乱してないのね?
よく見たら酷い顔してるわね?
よく寝てないの?」
「まぁ、その、本題は?」
決して混乱してない訳では無い
情報が処理しきれていないのだ
「単刀直入に聞くわ
破壊の力を無くせるって言ったらどうする?」
「……は?」
呆気に取られた
本当にそんな事が可能なんだろうか
「もし、本当に力を無くせるならなんでもしますよ」
「よし、じゃあ私に協力して欲しいの
取引よ、ワタシの味方になってほしい」
「味方?そもそも貴方が誰なのかも
分からないんですけど……」
「あー、ごめん、時間が来ちゃったみたい
また明日、この空間に呼び出すから!」
「え?ちょっと!」
景色が光に包まれて意識が覚醒していく
何も無い空間にまたね〜という言葉がエコーになって聞こえていた
またね〜
またね〜
またね〜




