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徒然メシ  作者: 友好キゲン
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寒さの救世主、コンビニ中華まん

「一体、俺の体はどれを求めているんだろうか…」


俺こと午岩は悩みを抱えていた。


最近寒さと風の強さが増してきたこの時期に、どの中華まんをいただくか…それが悩みだ。


今、くだらない悩みだと思っただろう?

だが俺にとっては一二を争う緊急事態なのだ。

というのも、コンビニの中華まんには様々な味がある。

ジューシーな肉汁とサクサクの筍の組み合わせを楽しめる肉まん、冷えた体に染みるあの熱さが一番伝わるこってりと甘い餡まん、とろみがあり皆が好む代表格を中に詰め込んだパンとはまた違った味わいを楽しめるカレーまん、熱々のうちに食べるととろりと伸びるチーズが楽しめるピザまん……他にもコンビニによって違う味の中華まんがあったりする。

いつもの俺なら全部頼んで少しずつ味わうが、今日は財布の中身の都合上、一つしか食べられない。とすれば、悩むのは必然だ。


そこで俺は1つ思いついた。

肉まんや餡まんのような王道はその気になれば夏にでも食べられる。現に梅雨に食べたわけだし。だがコンビニ独自の中華まんはこの時期でなければ食べられない。

ならば、ここはカレーまんやピザまんの方が良いのでは…?と考えたのだ。



「ありがとうございました〜。」


コンビニを出てから包みを開く。

俺が悩みに悩んで買ったのは、ピザまんだ。


決め手は生地の色だった。

他の中華まんの生地は白だったのに対し、ピザまんは太陽のように暖かいオレンジ色だったからだ。カレーまんも生地が黄色で明るさはあるが少し足りない。今は明るさよりも温もりを感じる色が欲しい。

光のように明るく、火のように暖かさを感じられるオレンジ色の生地のピザまんは、まずその色と熱でその温かさを伝えてくれる。こんな寒空の下で食べるにはぴったりの中華まんだ。


目と手でその温かさを味わいながら、冷めないうちに齧りつく。生地の中に閉じ込められた熱が一気に吹き出す。

ハフハフと口の中で熱を逃しながら食べていく。この熱を逃がすのは惜しいが、致し方ない。

とろけるチーズとほんのり甘いピザソースがふんわりと温かい生地と合わさって、美味い。

びゅうびゅうと寒い風が吹く中で食べるのもまた良いアクセントになる。これもある種のマッチポンプかもしれないが、ピザまんにはこの指が悴む程の寒さが最高の調味料になる。


「はーっ、あったかい…」


寒空の下で、体の中からじんわりと温めてくれる熱を味わいながら、帰途に着いた。


閏年おめでとうございます!(?)

いや〜、今日で2月も終わり…色々ありましたが、あっという間でしたね。

ということで2月の寒さや雪の思い出に耽りながら、ピザまんを頬張りながら書きました。

中華まんは3月になっても手放せる気がしないのでまだまだ旬は続くでしょうね…

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