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末っ子皇女は幸せな結婚がお望みです!  作者: 玉響なつめ
第九章 ツンの底には…?

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 別に、多分……私は、婚約者候補の彼らに対して同情をしたわけじゃない。

 私自身が、かつて味わった苦しさだとか……悔しさだとか。

 そういったものを、彼らの中に見出して自分がいやだったからそうしていたわけなのだけれど。


 傲慢だと思うし、自分勝手だとそう思う。

 そのことについては反省しているし、自分でも少し……いやうん、だいぶ恥ずかしい。


 だけど何故かサルトス様やピエタス様は私の行動を『健気ないい子』として見てくれたらしく、前に比べればとても好意的だし話しやすくなったし、関係性は改善されたと思う。

 今日なんてピエタス様とお茶をするのにサルトス様も一緒なんだぜ!!


 どちらも穏やかなタイプだから話がしやすいらしく、とても和やかだった。

 和やかだったんだよ、うん。

 そこにカトリーナ様とカーシャ様が突入してこなければね?


(なんでこうなるの……!!)


 流れはこうだ。

 庭園を眺めながらお散歩をしていた私とピエタス様。

 ちょうど咲いていた花の色が使えたらいいのにと言う発言からサルトス様のところに行ってみた。


 そこで話をしているうちにお茶にしようか、で仲良くお茶会。

 ここまではとても良い感じだ。

 婚約者候補同士が仲良くしちゃいけないなんてルールはないしね!

 大人たちの思惑は知らないけど!!


 でも本当に和やかだったんだよね、お互いの国の話をしたり知らないものに対して興味津々な二人の話を聞いていると私までワクワクするっていうか。

 途中ソレイユが部屋を抜け出してきてそれはそれで問題になったけど……なんでか二人に対してはソレイユの態度が悪いんだよねえ。


 まあ、ファードラゴンは主人と認めた相手以外には大体態度が悪いってことらしいので許してもらいたい。


「だから! ヴェイトスは古くからある尊き血筋! その中でも由緒正しい血を継ぐピエタスが陛下のご息女であるヴィルジニア=アリアノット姫に相応しいに決まっているでしょう!?」


「そうとは限りません。ヴィルジニア=アリアノット姫は精霊の声を聞ける素直な子……権力の争いになど巻き込むべきではなく、わたくしたちエルフと同じように秩序を見守る立場でお過ごしいただきたいです。ドラゴンと心通わすサルトスが傍にいれば、いくらでも助けになるでしょうし」


(だからどうしてそうなった!!)


 仲良く話をしていたらそれを見かけたカトリーナ様がやってきて、それを咎めるようにカーシャ様がやってきて……って既視感あるな。

 だけど今回はどうしよう。

 あの時はピエタス様が助けてくれたけど、今回も誰かの助けを期待して……いや、人に期待してばかりじゃだめだ。


 私は自立した女を目指すんだから、誰かが助けてくれるのを待つばかりじゃいけない。

 助けてもらえたら嬉しいけど、自分でも行動ができなくちゃだめなのだ。


「カトリーナ様、カーシャ様」


 そうだ。冷静に。私よりも相手は目上の淑女たち。

 だけど私は皇帝の七番目の子供。


 皇帝と、皇子たちに愛される末姫だ。

 その立場に甘えすぎてはいけないけれど、だからといってその影に隠れっぱなしでは立派な自立した女はほど遠い。


「言い争いをなさるのであれば、お引き取りください」


「な、なんですって……? ヴィルジニア=アリアノット姫、今なんて……」


「……!?」


「私は今、陛下が定めてくださった婚約者候補たちとの時間を過ごしております。それに対し妃殿下がたは干渉しないというお話になっていたはず。兄様たちの母君であること、また、サルトス様、ピエタス様との関係を考えてこの場に参加したいと仰った際には反対いたしませんでしたが……こうして言い争いをし、場を乱すならばお引き取りくださいと申し上げました」


 よっし、言いたいことは言ったぞ!

 そうだ、ここは私とサルトス様、ピエタス様のための場なのだ。


 皇女は時間をかけて候補者たちと関係を築き、見定め、そして選ぶのだ。

 それを邪魔するのはいけないって暗黙のルール……でもないけど、そういう空気になっているのは妃たちも知っているはず。


 だから本人たちはそれとなく(・・・・・)自分の手元の候補者を推したいんだろうってのは理解するけど、そこで白熱されちゃったらたまんないのよ!

 私の気持ちを察してか、ソレイユも臨戦態勢だ。

 可愛いけどステイ!!


(ここで黙っていたらまたそのうちなんとかなるんだろうけど……それじゃいつまで経っても変わらない)


 サルトス様とピエタス様に偉そうなことを言っておいて、私が何もできないんじゃかっこつかない。

 だから頑張ると決めたのだ。

 テーブルの下でこっそりと、緊張から握りしめるその手は汗でジットリしていた。


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