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末っ子皇女は幸せな結婚がお望みです!  作者: 玉響なつめ
第九章 ツンの底には…?

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「……カトリーナ、お前がヴェイトス国出身の者としてそこにいるピエタスをニアの婚約者として推奨する気持ちは理解できる。だからこそ二人の茶会に顔を出しているということについても口を出さずにいた」


 コツ、コツ。

 父様が足音を鳴らして(・・・・)歩み寄る。普段は音なんてさせないからそれは不機嫌を表しているとよくわかった。


 なんせ父様の後ろにいる侍従の人たち、顔色悪いしね!

 魔王降臨ってこれか! こういうことか!!


 ピエタス様も顔色が悪いではないか。


(こ、これはアカンやつだ!)


「誰が許して余の可愛い娘に対しそのような居丈高な振る舞いをしている?」


 ひえって声があちこちで聞こえた。

 多分、カトリーナ様が連れて来た侍女たちからだと思う。


 私はダリアと、今日はグノーシスを連れているけど……二人は慣れているからか涼しい顔だ。

 うん、まあね。

 父様が何故か私の部屋で仕事を始めたり、宰相に頼まれて父様の執務室訪問をしたりする中で何度かこうした皇帝の威圧感たっぷりっていうの? そういうのは何度も目にしているからね……慣れるよね。

 いや慣れていいことかどうかわからないけど!!


 これはさすがにカトリーナ様も顔色を悪くして……いないな?

 それどころかキラキラした目で父様を見ているな?


(……あれ)


 その光景を目の当たりにして私はわけがわからない。

 なんだこれ……? ってなっただけだ。


 父様は不機嫌で、魔力と威圧で周囲は青い顔をして、何故か叱られているはずのカトリーナ様だけが幸せそうって。


(なんだこれ……?)


 理解したくないな。

 頭が考えることを拒否し始めたので、私は小さくため息を吐いてからテーブルに視線を戻す。


 クッキーの載った皿から一枚取って口に放り込み、紅茶を飲んでため息を一つ。


「父様」


「なんだ、ニア」


「……父様もよろしければ一緒にお茶を楽しみませんか?」


「えっ」


 えってピエタス様も驚いたけど、何故かカトリーナ様と父様までもが驚いた。

 息ぴったりかよ、三重奏の「えっ」だったわ。

 ついでに後ろの侍従さんたちや侍女さんたちまで「えっ」て顔をしてこっち見ないでくれるかな!?


 変なことはこれっぽっちも言っていないはずなのに、私がおかしいみたいで困るじゃないか!


「そっ、そうですわ! 陛下はわたくしとお話をいたしましょうそうしましょう! たまにはヴィルジニア=アリアノット姫も良いことを仰るではありませんか!!」


(たまにはって……)


 ほぼ会話らしい会話をしたことがないっていうか、大体が「ソウデスネ」「ワカリマシタ」「ソノトオリデス」の三つの相槌を使ってればほぼ一人で話し続けているのに……?

 思わずそれを口に出しそうになったけどそこは黙っておいた。


 父様は私をジッと見ていたけど、深く、深くため息を吐いて同意してくれた。

 侍女さんたちと侍従さんたちには悪いけど、これで父様を巻き込むことには成功したのでそのうちお礼に何かしようと心に決める。


(……大国の姫なのに二番手だったのが不満で自分こそがこの国一番の貴婦人って自慢しまくってたし、ここで父様に媚びたいってことなんだろうけど)


 最初はそれを利用して、父様を見かけたカトリーナ様がそっちに意識を取られている間にピエタス様を連れて行くか話をしろって意味かと思ったんだけど……よくよく考えたらこれは毎回使える手ではないよね。


 毎回皇帝をいいように使うってのは無理があるし、お忙しい人だってことくらい娘の私がよく知っている。

 ってことは当然、息子であるパル兄様もそれを知っているってことだ。

 それがわかっているのに仕事中の父様を〝毎回〟巻き込めなんて言わないはずだ。


(……ってことは)


 つまり、何か意味があるってこと!

 でも会わせればあとはわかるとかなんとか言ってそれ以上詳しいことを教えてもらえなかったから、私は考えなくっちゃいけないわけで……。


(んもおおおおお肝心なこと教えてよねえ!)


 チラリと父様を見る。

 私をじっと見ていた。恨みがましいに近い目だ。

 

 見なかったことにした。ごめんて。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] カトリーナさん、マゾ?それとも、大好きな人が自分を見てくれてる!って事ですかね?皇帝はカトリーナさんの事、嫌い??
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