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末っ子皇女は幸せな結婚がお望みです!  作者: 玉響なつめ
第一章 父は皇帝、私は皇女
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6

「へーえ、それで姫様がそのコ飼うことにしたんだあ?」


「そうなの。お父様も許してくれたの。モフモフなのよ?」


「そっかそっかー、よかったねえ」


 ニコニコと私の話を聞いて相槌を打ってくれるのは護衛騎士の一人、ロッシだ。

 彼は狐の獣人だということで、ふさふさの尻尾とピンと立った耳が特徴で、とても気さくなお兄さんだ。


 だがちょっと今日はペアに問題がある。


「姫に向かって馴れ馴れしい。離れろエキノコックス」


「おん? 誰が野生の狐だコラ」


「サ、サールス、けんかはだめ!」

 もう一人は狼獣人のサールス、黒髪に黒いお耳がピンと立ってこちらもふさふさの尻尾がある、カッコイイお兄さんだ。


 後一人は女性騎士でテトという猫の獣人さんがいるのだが……とにかくみんな優秀らしいんだけど、サールスとロッシは喧嘩友だちというか、チョイチョイこうやって言い争いを始めてしまう。

 あんまりヒドイとグノーシスが拳骨を落とすので、私としては気をつけてもらいたいんだけど!


「それで、名前はなんになさるのですか?」


「うん、あのねえ。シエルにしようと思って!」


「シエルですね、かしこまりました」


 一応グノーシスさんがあの後調べてくれたんだけど、城内でフクロウを飼っている人はいたものの、シエルのことを知っている人はいなかったのだ。

 そしてペットを飼う場合は飼い主が誰か登録が必要なのだが、その登録もないので逃げてきた……というわけでもなくただの迷いフクロウだろうということで片付いた。


 ただ見たこともない珍しいフクロウということで、私がペットにしたいと父におねだりしたところあっさりと許されたのである。


『わが姫が飼うに見たこともないフクロウはうってつけ! これも神からの祝いであろう!!』


 とか言われたけどそんなことないから。

 獣医も呼んでシエルを診てもらったが、とりあえずは健康そうで一安心だ。


 幼女である私では支えづらいほど大きいフクロウだが、とても賢くて穏やかで、私が触れても嫌がらない。

 抱きついた時はちょっとだけ身を引かれたけど、我慢してくれたことはわかった。

 でもすごい……モフモフ……羽毛布団……。


 思わずその感想がだだ漏れてしまってシエルにはちょっと怯えた目を向けられてしまったが、大丈夫だよむしらないよ……!!


(多分ワケありフクロウなんだろうなあ、っていうか本当にフクロウなのかなあ)


 あまりにも賢いんだよなあ、シエル……。

 でも悪さをするわけじゃないし、きっとどこからか逃げてきたりしたんじゃないかと思うんだよね。

 私以外の大人が近づくと身を縮めて届かない位置に行こうとするし。

 多分私が傍にいても大丈夫なのは、この場で私に従っておけば安全を確保できると踏んでのことだと思う。あと、弱そうだから。


 なんとなくそれが、前世の自分を彷彿(ほうふつ)とさせたのだ。


「……シエル、守ってあげるからね」


「くるっぽ」


「それ鳩」


「く、くくるっく……」


 小声でツッコミを入れると慌てて修正を入れようとしてくるんだが、大丈夫なのか? ホントに。

 まず野生では生きていけないタイプだね、シエル!

次回は17時更新だよ!

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