表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
末っ子皇女は幸せな結婚がお望みです!  作者: 玉響なつめ
第七章 婚約者選びは波乱の予感
64/220

63

 私の婚約者候補は、今のところ三人いる。

 いずれも、妃たち推薦の……まあつまるところ、政略的な意味合いが強い相手だ。


 一人目はオルクス兄様の母、第三妃カーシャ様の従妹の子供で私より四つ年上のサルトス。

 プラチナブロンドに緑の目をした綺麗なエルフ族の少年だ。

 すごく穏やかで優しいタイプの男の子。


 二人目はパル兄様の母、第二妃カトリーナ様の友人の息子で私より二つ上のピエタス。

 赤毛にそばかすがあって、笑うととってもチャーミングな少年だ。

 少しばかりオドオドしているけれど、気遣いができる優しい男の子。

 どうやらパル兄様の婚約者の弟らしい。


 三人目はアル兄様の母、第五妃カノン様の甥っ子で私よりも五つ年上のフォルティス。

 黒髪に浅黒い肌、そこに薄い水色の目をしているのが特徴的な体格のいい獣人の少年だ。

 ぴぃんと伸びたうさ耳がキュートなのに彼自身は細いんだけど鍛えられてるなあってわかる感じの、カッコイイお兄さんなのだ!


 言っておくが全員もれなく美形である。

 うん、めっちゃキラキラしい空間のできあがりだよ。


 ちなみに国内貴族からではなく、よその国から……というのには一応理由があって、ヴェルジエット兄様が国内の貴族令嬢を娶ったからだ。

 そしてオルクス兄様も。


 諸外国、並びに属国との関係性をこれからも保つならせっかく(・・・・)大勢いる皇室の子供たちがそれぞれ縁をあちこちと持ってくれれば、帝国としては安泰だという考えらしい。

 それでも、その中からお互いに良い関係を築けそうな相手を選ぶ権利を帝国側が持っている……ということで力関係はお察しだけれどね。


(だからってお妃さまたちの目が怖いんだよなあ)


 正直なところ、今この年齢になっても父である皇帝の溺愛度合いは変わらず……っていうかパワーアップしつつあるし兄様たちも私のことを可愛がってくれているのでこの帝国内での『第七皇女』は決して軽んじて良い相手ではないという認識になっていると思う。


 そもそもグノーシス率いる獣人騎士たちが私の護衛としてついていることも実はすごいことらしい。

 何故なら、この帝国内で私の護衛についているグノーシスとテトは軍の中でも腕っ節は最強と言われている夫婦なのだ!

 強いんだろうと言うことはわかっていたけど、グノーシスはその腕っ節もさることながら人格者であるし子供好き。

 テトは勘の良さでこれまでも魔法使い相手に圧巻の対応を見せることが可能。

 そしてその二人が選んだ部下がサールスとロッシってわけ。優秀じゃないわけないじゃん。


(今にして思えば少数精鋭でガッチガチに固めてたってことなんだよなあ)


 侍女は専属侍女としてのデリア以外、出入りするのは年嵩の侍女たちだった。

 それも後になってわかったのは、皇帝直属の侍女たち。

 他の妃たちが付け入る隙がまるでないっていうね……。


「ぴゅーい!」


「あ、ごめんごめん」


 そしてシエルという癒やしを失った私に、父がある贈り物をしてくれた。

 溺愛する娘に相応しいペットを……と大陸最強の国家トップが張り切った結果、私に与えられたのはなんとレア中のレア、その名も『ファードラゴン』の幼体だったのである。


 確かにもっふもっふして可愛いんだけどね!

 ちなみにお名前はソレイユにしたよ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ