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末っ子皇女は幸せな結婚がお望みです!  作者: 玉響なつめ
第二十章 花は花でも……
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「そのようなことを俺たちが認めるとでも?」


 フォルティス様が剣を抜いた。


 対する神官服を着た(ロータス)の人たちは微動だにしない。

 といっても、ゆったりしたあの袖の下に何を隠し持っているかわかったもんじゃないけどね!


(確か、(ロータス)ってブラックマーケットを仕切っている一団だっけ……)


 エルヴェが気をつけた方がいいけど役に立つ人たちって評価をしていたんだよね!

 あんまり裏社会のことを学んでも益にならないから覚えなくていいって言われたけど……慈善事業の一環でお薬がって話の際に、粗悪品の話からその流れだったからなあ。


 でもあの(・・)エルヴェが〝気をつけた方がいい〟なんて言う一団だ。

 きっと一癖も二癖もあるに違いない。

 その長ともなれば、私をあっという間に言いくるめることなんて造作もないこと……なんじゃないかな、と思う。


 正直、今なんの準備も心構えもない状態でお招きしてもらったところで上手く対処できる自信なんてない。

 事前準備したってきっと無理だけど!


「……私は強引な方はあまり得意ではないので、また後日正式にご招待いただきたいわ」


 精一杯優雅に見えるよう、私は笑みを浮かべてそう言ってみる。

 穏便に引いてくれたらそれが一番だけど、そいつぁ難しいだろうね!


 じゃなきゃメディーテー様だって誰かが犠牲になっちゃうみたいな忠告しないでしょ。


(なら、私がするのは少しでも会話で時間を稼ぐこと……)


 先に戻ったはずのエルヴェが、みんなを助けてくれているならきっと増援が来るはずだ。

 もしそれが難しいんだとしても、今少しでも時間を稼げばユベールとサルトス様が魔力を練る余裕ができるはずだ。


 私はこうやって目の前で誘拐されそうになる事態そのものは初めてで、よくよく考えたらユベールのお母さんであるクララさんの呪いと対峙したのがこれまでの人生で一番の危機だったのかもしれない。


 でもあれは呪いであって、今回目の前にいるのは、人間なのだ。


 そして私を守ろうとしてくれている四人は、みんな高位の存在として――実戦経験はまだないって聞いている。

 いつでも戦えるように、心構えと訓練は欠かしていないと聞いているけど……緊張感に肌がひりつくって言葉の意味を実感する。


 私だけじゃない。

 みんな緊張している。


「――……では仕方ありませんな、少々手荒となりますが、皆様ご同行願います」


 にたりと笑った。

 私たちの目の前の彼らが、一斉に。


 そう、一斉に!


「うわキモ」


 思わずそんな感想が口をついて出て、隣のピエタス様に「ア、アリアノット様、は、はしたない、ですよ!」って注意されちゃった。

 ごめんて!!

現在新作の『主人公の義兄がヤンデレになるとか聞いてないんですけど!?』も更新しておりますので、よろしくお願いしまぁぁぁす!!°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

https://ncode.syosetu.com/n7443kl/

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