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末っ子皇女は幸せな結婚がお望みです!  作者: 玉響なつめ
第十九章 神様、いました!
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 山の頂にある祠、そこは神に招かれた者以外が足を踏み入れてはならない。

 それは神の寵を得ようとした過去の神官たちの愚行であったり、願いを叶えようと私利私欲に塗れた人間がいたりした結果そう伝えられているそうだ。


 今ではどんな高位の神官も、余程のことがない限り近寄らないという。


(……お掃除とかどうしてるんだろ)


 供物を捧げたり掃除をしたりするのも大事な神事なんじゃないのか?

 ほっぽらかしでいいのか?


 説明を受けて真っ先にそんなことを考えたよね……。


 まあ、今回招かれた(?)私たちがそれをやって帰る予定なんですけど!!


 神託により選ばれた私と婚約者候補たち、そしてエルヴェ。

 エルヴェを選んだ際は一悶着あったものの、なんとか納得してもらえて良かった……。


 護衛から一人って神託を受けていたから、護衛騎士たちの中から選ばれるって思ってたのに専属執事が選ばれたんだもんね。

 そりゃ騎士たちが心配になるのもわかるんだけど……でもエルヴェが『オレを選ばないとかないでしょ!』って目で訴えてくるもんだからさ……。


 結局は山登りをしている中でも私のお世話が必要だから、護衛も兼ねている専属執事が行くのが妥当ってグノーシスが私の意見に賛成してくれたおかげでなんとかなった。


「ねえエルヴェ。どう見ても私の格好が登山向けじゃないのはなんでなの」


「えっ、ヒメサマは可愛くしてた方が絶対いいって思ったから」


「そういう問題なの!?」


「だーいじょうぶだって。魔国の王子サマが魔法でヒメサマのことは補助してくれるっていうし、やっぱ聖女って特別な存在としてキラキラしてもらってた方が効果的だしね」


「そうかなあ」


「それにこれも神殿側が用意した服だし、断る方が失礼なんじゃない?」


「……うう」


 オフホワイトのストンとしたドレスっていうかワンピース。

 コルセットなしのデザインだから苦しくはないものの、山道を歩くのには絶対不似合いなんですけど……。

 

 綺麗に装えばいいってもんじゃないと思うんだよね!

 でもってまだ山は寒いからってデリアが用意してくれたモフモフのコートに身を包むのも過剰包装じゃないかって感じているんですど!!


 まあ結局私の儀式? は途中だけど神様から直接お声掛かりがあったんだから仕方ないよね、みたいな……?


(よくわかんない事態になったな……!)


 これが神の寵児クオリティなのか。

 だとしたらこれまでの寵児たち、どうやってこの人生サプライズに対処していたんだろう……是非ともご教授願いたいところ。


「よっし、これで可愛いヒメサマに神様だってきっとメロメロだぜ!」


「エルヴェ、なんか間違っている気がするよ……!」


 綺麗にしてくれたのは嬉しいけどさあ!

 山登りすんのにがっつり編み込んだ髪型はやり過ぎだよ!


「汗と山登りの最中で化粧と髪型は崩れたら直しようがないでしょー!?」


 なんで登る前から突っ込みで疲れなくちゃいけないんだよ!

 まったくもう!!

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