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末っ子皇女は幸せな結婚がお望みです!  作者: 玉響なつめ
第十八章 聖女認定、頑張ります!
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 ヴァノ聖国からの要請を受けて皇女が聖女として立つ……そんな感じで訪問することになっている私だけど、初めての国外への公務である。


(うう、緊張するう~……)


 皇族が使う長距離移動用の馬車はめっちゃくちゃ快適とはいえ、十歳にして海外旅行である。

 いや遊びに行くんじゃないけどね!?


 以前、ユベールのお母さん、現魔国の王太子妃であるクララ様を探しに帝国の南方へと行った時はオルクス兄様とパル兄様が一緒だったからなんの不安もなかった。

 しかしながら今回は私主体の公務のため、兄様たちはいない。


 というか兄様たちまでくっついていくとちょっとね……っていうことで宰相からストップが出ただけなんだけども。


 なにせメンバーがメンバーなのだ。

 マルティレス司祭様が一緒なのはまあわかる。

 伯父様と一緒に来ていた神官さんたちは今回この訪問で帰路につくらしい。

 元々私を聖女にするために帝国に派遣されたわけだしね。


 で、護衛騎士は今回、グノーシスとテト夫婦を筆頭にパル兄様が鍛えた精鋭の魔法騎士たち五十名。

 私の身の回りの世話をするデリアを筆頭とした侍女三十名。

 他、男性の手も借りることもあるだろうからってことでエルヴェ以外にも執事たちが二十名。


 そして我らが婚約者候補たち四名。


 以上!


 待って待って。

 私一人が行くためだけに百人の大行列ですよ……いやこれが皇女として他国へ訪問するのとしては一般的らしいんだよね。


 ゆっくり移動をしながら各所で挨拶を受けつつ必要なことを見て回ってくるもんらしい。

 ひぃ、気が滅入るぜ……!!


 ちなみに本来は婚約者候補たちはこの公務に参加する必要はないけど、本人たちたっての希望ってことで一緒なんだよ!


「……何事もなければいいけど」


 いや、何か起こること前提で常に構えておくのが一番大事!

 そうだよね!!


「ヴァノ聖国は山にあるとあって寒いそうですので、姫様のお召し物もしっかり準備をしなければなりませんね」


「やはり表敬訪問なんですし、清楚系でまとめるべきでは?」


「白はあちらの神官たちにとって特別な意味合いを持つという話もありますから、姫様の愛らしさを前面に出していくドレスを……」


「でもあちらでは儀式を執り行うという話だし、旅の間は楽にお過ごしいただくことを一番に考えて……」


 デリアを中心に侍女さんたちのそんな声が聞こえてくるけど、いやあ……公務って大変だなあって改めて思うのだ。

 私は皇女としての装いを彼女たちにお任せしてこれからのことに思いを馳せるのであった。


 決して地味なのがいいな、なんて言ってみんなに叱られたからではない。決して。

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