表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
末っ子皇女は幸せな結婚がお望みです!  作者: 玉響なつめ
第十二章 花は一本、蜜蜂四匹

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

115/221

114

 かくして途中参入という形で城内の一室を得たユベールは、他の候補者と同じく週に一度私と過ごす権利を得た。

 というのを父様から聞かされたわけだけど……。


「……ユベールは、魔国から出ても大丈夫なの? その、体調とか」


「ああ、うん。魔力を大量に消費しなければ問題ないよ。前みたいにフクロウになりっぱなしってこともない」


 魔国に戻ってあれこれと勉強・修練を積み重ねたことによってわかったのは、鳥人族にとって鳥の姿になるのは、緊急時の逃走にいいってことと、省エネモードってことらしい。

 

 つまり五年前、命の危機を感じたユベールは鳥になって逃げだし、この帝国の主人が住まう城の防壁を破るほどの魔力を消費して庭に落っこちたのだ。


 鳥から人の姿に戻れなかったのは、恐怖から己を守る防衛本能の他に魔力が足りなかったってことらしい。


「そうなんだ……」


「今はもうコントロールの術は十分に身に付けたし、万が一の対策もとってあるから大丈夫」


「そう……で、ね、えっと」


「うん?」


 そう、なんていうかね。

 さすがに私の部屋ってわけにはいかないので、他の候補者たちと同じように四阿(あずまや)とかそういった場所で侍女や侍従に見守られながらのお茶会なんだけど!


(どうしよう、聞くべき? 聞かないべき!?)


 あの『ニア』呼びについて!


 あれはね、確かに私は許可した。許可してしまいました。

 別れたばかりの寂しかった頃、ユベールも勿論ほぼ知らない人たちに囲まれ不信と不安を抱いていた頃。


 私たちは手紙のやりとりで親しみを込めて私も『ユベール』と呼び捨てにし、ユベールも私を『ニア』と書き記したのだ。

 ほら、小さい子ならではのさあ、距離感がさあ!!


 前世の記憶があるからって私も当時は同年代のお友だちがいない状態でずーっと一緒だったシエルもといユベールが遠くに行っちゃったから寂しくてたまらなかったんだもの!

 それがまさかこんなイケメンに成長するなんて……わかってたけど!!


 人間に戻った段階でユベールは光り輝いてましたからね!?

 予想はしていたんだよね、うん。

 でもまさかこう……ちょっと年上の友だちが、自分の婚約者候補になるっていうのに実感がないっていうかさ。


「……ユベールは、この話を受けて良かったの?」


「この話?」


「婚約者候補の……」


「ああ、それは俺が自分からお願いしていた。本当は、他の候補者たちと同時期にはこちらに来るつもりだったんだ」


「えっ」


 なにそれまたもや知らない新事実が出てきたんですけど!?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ