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神槍は転生してもやはり神槍を目指す  作者: Scull
第3章

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第3話 駆け下る!

師匠が魔力を高めるのに合わせ、リーシアが門の上の台に登る。

「我が名はリーシア・ヴェイツェンドルフ!ミュルクヴィズの騎士にしてギュンター辺境伯の新米騎士!」


大声で呼ばわったせいで、レルムの兵士の罵詈雑言が止まる。ついでに師匠が不安げに視線をこっちに送った。


「貴公ら、我が軍を相当侮ってくれるけれども、覚悟はあるだろうな!」

といいながら、カルルたちにハンドサインを送る。

レルムの戸惑いがよくわかる。


と、言い返そうとするレルムの機先を制して

「ワハハハハ!口だけ言い返しても何の意味もないぞ!貴公らも武人なれば槍を交える中で決めないか!」と呼ばわる。


混乱して騎士連中が額を突き合わせて相談し始めたのを確認し、師匠に指差して教える。

「師匠、いける?」


「もちろんさ」


「我が方には塔の魔道士として、大魔道士ザオベルがおるぞ!大魔道士に逆らった罪をその身で贖うがいい!」


との叫びに合わせて師匠が魔道を放つ。フィルさんとの連携でゴブリン討伐の先制に使った爆発を敵陣中央に起こす!

師匠の解説によれば、ゴブリン先制の際には単純な加熱爆発の前に、水分を集めておいて爆発の威力を高めておくのだそうだ。李書文の記憶にある機関車というのが同じ理屈らしい。


とはいえ、今回の爆発はゴブリンの時よりも威力が大きいように見える。


わずかに遅れて腹に響く爆発音が届いた。眼下をカルルが槍を構えて突撃していく。ツヅラ折れになっている登り道を全く無視して、一人で駆け下る。

もちろんリーシアも槍と盾を持ち、後に続く。


門に降りれば扉は開け放たれて、外が明るく見える。砂煙は一番槍のカルルと、それに続くメルさんだろう。


あわてて駆け下ると前にのめって転びかねないので、適度に足を踏ん張りながら駆ける。登り道を横切る時には斜面の角度が変わるので、踏ん張り方にも注意が必要だ。


「うおおおおお!」前下方ではカルルの吶喊が聞こえる。見たところレルムはまだ立ち直りきれていない。とはいえ、純粋な戦力差では勝ち目はない。


レルム騎士の叫びが聞こえる。カルルの突撃に、反撃の指示を出そうというのだろう。


だが遅い!

その叫んだ騎士に目がけて飛び上がり、槍を突き込む。カルルがいい陽動になった。手応えを感じ、即座に槍を抜き取る。そのまま震脚をして、足場になっていたレルム兵の肩を踏み砕く。飛び退いて足を取られないように着地した。即座に後方のレルム兵に虎尾脚をみまう。正面の兵士には十字勁で槍を突き込む。


正直、兵士は全く問題にならない。数以上の意味はなかった。となれば、旗を目指すべき。見回せば、土埃に紛れて分からない。


「カルル!!騎士を狙うんだ!!旗を狙え!」と叫んだものの、周囲はレルムの怒号ばかりで伝わったかどうかは自信がない。とりあえず、周囲の兵士を蹴散らすしかない。


と、兵士の持つ盾に飛び乗り、その兵士の後頭部を蹴って首を折りながら、飛び越える。


着地して、次の獲物を探す。

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