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神槍は転生してもやはり神槍を目指す  作者: Scull
第3章

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第1話 戦争の予兆

ウェスタヤルトでの実戦は思いのほか早くやってくることになった。

引っ越しを終えた後、7日ほど経った日のことだ。巡回に出て西門に登り、西方を見やると、ウネウネと丘が連なる景色の中にちらりと白いものが揺らいだ気がした。


気になって、なお見張っていれば、キューちゃんがリーシアに肩を軽く突いて教えてくれる。

「キュー!」


「やっぱり敵?」と聞けば、ウンウンと肯定するようにうなずく。やっぱりキューちゃんは賢いなぁ。。。


と思ったら、ピーちゃんがまだ綿毛だらけの翼で頬を叩く。痛い痛い。うんうん、ぴーちゃんも賢いってば。


「あいたたた・・・」


「何やってんの」とはカルル。


「うるさい」

もふもふの翼は感触がいい。


「どうやら敵みたい」


「ほう、どれどれ」と、師匠が魔道を使って「遠見」をする。

「これは間違いないね。レルムの軍隊だ。明日か、明後日ぐらいには交戦可能になると思う。フィレベク。辺境伯に伝えてくれないか」


「わかりました。ザオベル様」

と、フィルさんは二つ返事で走り出す。


「さて、これでギュンター公に報告したことになるけれど、レルムの軍隊はどれぐらいだろうね」


「師匠、それはわからないの?」


「ううん。いくつか旗が動いているのはわかるんだけど・・・」


「すると、騎士は何人かはいるってことだな」とはカルル。


「そういうものか」


「そういうものだよ、師匠」


「騎士一人当たりにどれぐらいの兵隊がいるもんなんだ?」というのはメルさん。


「わかんねえな。こないだエーバーハルト様にしてもらった説明でも、一騎あたりに10人から何十人となるって話だったからな」


「そういう話だったね」


「すると、4、50人から数百人ぐらいの兵力ってことか」


「そうなるね」


「数百人となるとちょっと骨だな、リーシア」


「そうだね、カルル。交代で見張りながら、対応策も取らないとね」


そうして話していると、ロタールさん、カルルマンさん、二人の騎士が部隊を連れてやってきた。


「リーシア卿、レルムの軍隊が攻めてきたとの報告だが」


「これはロタール様、カルルマン様。まだ、旗をいくつか見かけただけですが」


「ふむ。それならばまあ、落とされることはないだろう」

「とはいえ、備えは必要です。交代で監視にあたり、念のために兵に動員予告をしておきましょう。収穫時期を控えて、急な動員では兵が集まらないかもしれませんので」


「ふむ」


「貴公らはどうにも遠目が効くようだな」


「は。グリフォンがおりますゆえ」


「まだ飛べないのがなんとも惜しいの」


「は」


「その遠目を生かして、今日からこの門でレルム軍の監視を頼む。動きがあれば随時報告するように」


「連絡用には兵を置いておく。動きがなくても朝、昼、夜の報告は欠かさぬように」


「は」


改めて西方を見やると、旗はもう見えない。地形がわからないけれども、谷間とか山間とかに隠れたのかもしれない。


ウェスタヤルトの西にも少し開墾地が広がっている。ここが狙いなのだとしたら、なんとも不可解だ。数百人規模の動員で襲うには生産力がない。

レルムの狙いは一体なんだろう。

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