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神槍は転生してもやはり神槍を目指す  作者: Scull
第2章

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第36話 夏の雲

少し早いぐらいの気持ちで「てーっ!」と叫ぶ。

矢はグリフィンを外して飛び去り、彼方に飛んでいく。


「次!」と叫ぶが、流石に矢継ぎ早というわけにはいかない。引き切られる前に、爪が盾を叩いた。盾の脇から剣を突き込む。


「ギャア!」という叫びと共に、羽ばたきの音が遠ざかり、ドスッと落ちる。手応えあった。


「飛ばせるわけには!

と、突進し、

「いかないからね!!!」と斬りつける。空にいるグリフォンは手に負えないけれど、地に墜ちたグリフォンならなんとか!


とはいえ、傷ついた翼を巧妙に防御に使って、体に傷をつけさせない。逆に鋭い爪がある前足でガリガリとひっかっくので、盾が手放せない。


「カルル!左!!」と右翼を攻めさせる。


「おう!」という返事が頼もしい。


「メルさんは!


「すぐに!


「射れる!


「ように!」


斬りつけながらだとどうしてもぶつ切りになる。


「シア!脚!」とは師匠。

即座に脛を後足で削られて、少しよろける。怖ええ。

やばいなこいつ!


とはいえカルルが斬りつけるので、続かない。脛当てをつけておいてよかった。


さらに斬りつけるとだんだん翼も持ち上げられなくなり、翼の肩口あたりに当たるようになり始める。とはいえ、グリフィンの肩って、翼の方なのか、前脚の方なのかよくわからん。


「ケアアアアァ!」

やかましい!

盾があってどうしても勁が入らないのでかすり傷しか与えられない。もどかしい。


攻撃をリーシアが受け続けているために、カルルは盾をずらして斬りつけられている。ちぇ。


とはいえ、あんまりカルルが効果的だと、そっちに攻撃されかねないから、靠の要領で盾を当てる。後足で立ち上がっていたグリフォンは後ろに押されてたたらを踏む。


「とった!」


後ろに倒れないように振り返ったグリフォンの隙をつき、右に堤篭換歩をして剣先を突き込む。


「グァ!」


前脚ごと倒れかかってくるので、爪を避けて飛び退いた。腹を左に裂かれたグリフォンが、どうと倒れる。


まだ四つ足で立っていて、左右に嘴で威嚇をしてくる。


人間もそうだけど、グリフォンも腹を切ると相当効く。


首領?あれは例外だろ。


グリフォンの足は完全に止まった。と、首元に矢が突き立つ。二の矢、三の矢。


喉から呼気が漏れて、もはや叫びにもならない。

「それじゃ」

と、脇から剣を心臓に突き立てる。


空を見上げて、つがいが飛んできていないか、確認する。子育て中だって言ってたから、番いがいると思ったんだけど。


もこもこした雲が夏が近い。

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