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神槍は転生してもやはり神槍を目指す  作者: Scull
第2章

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第22話 リーシア、山賊に想いを馳せる。

一向の西行きは、これまでよりもつつが無く進んだ。これは単純にいって、ベル師匠とフィルさんが加わったせいだとリーシアは思う。


リーシアとカルルだけの時は、賊に襲われ、返り討ちにした。


8人ほどの賊ならばリーシアとカルルの2人は「なんとかなる」気がするのだろう。1人2人は手傷を負うかもしれないが、数で押せる。これが4人ともなれば、2対1となり、安易な力押しを躊躇わせる。そう思う。


では10人以上の人数が集まるとどうだろう。

まず、そこまでの人数がいるならば実のところちょっとした戦力になる。逆に、多少の山賊をした程度では、全員が食っていくことすらままならない。

それならいっそ、全員をまとめてどこかの貴族に売り込んで、戦働きでもして稼いだ方が実入がいい。


なるほど、そう考えれば、今、4人の集団パーティが襲われないのも納得だ。


何度か狙われた気配はあったが、実際には狙われない。それはそういうことかと。


とはいえ、襲われてもいないのにいちいち拠点を突き止めて討伐して歩くほど暇ではない。


そんなわけで、賊に襲われることはなかったものの、野生動物に襲われる危険がある以上は油断はできなかった。ゴブリンやコボルト、オークといった亜人種、熊や狼、鹿類、猪、クズリなども油断はできない。


特に子育て中の熊や群れが渡りをしている亜人種や狼は侮れない。狼や亜人種は野盗の類と異なり、何十頭もの群れを成して襲撃してくる。それこそ、こまめにねぐらを突き止めては潰していかなくてはどうにもならない。

子育て中の熊はもう出会ってしまうこと自体が災難だ。熊に出会ってしまったら、殲滅するしかない。さもなければ自分が命を差し出すか。


野生というのはそういうものだ。

狼や猪を飼い慣らして犬や豚にするか、あるいは殺すか殺されるか。そういうものだ。


それを忘れた人間が払う対価は命だ。


それを忘れてはいけない。


そうして、ロッテンナウについた。

ロッテンナウは3方を城壁というか、少し高い塀に囲まれ、開けた側には河岸がある特徴的な街並みを持つ。街の中心には物見を兼ねている木造の尖塔があり、川岸には水車がいくつも回っていて、豊かであることが見てとれた。


久しぶりに寝台で眠れると、ベル師匠がはしゃぐのがなんとも微笑ましい。


王より下賜された剣を見せて門をくぐり、宿のありそうな街の中央へとまかりこす。

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