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神槍は転生してもやはり神槍を目指す  作者: Scull
第2章

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第6話 拳闘

リーシアはそのまま、王様の方を振りかえる。


「う、うむ・・」


と王様は脇の宰相様をみやる。

どうやらまだ、判断をつけられないみたい。


宰相様が壁の方を見ているので、どうやら脇に並ぶ騎士様たちの反応を窺っているように見える。リーシアも壁の方を窺ってみるが、暗くて騎士様たちの表情はよくわからない。

だけどこの程度で黙ってみているような騎士ばかりではないはず。


「では私が」


といって、明かりのもとに進み出たのは、オイゲンさんよりは小柄な騎士様だ。


「よし、相手をせよ」


「は。

「私めは素手で立ち会ってみたいと思います。アルヌルフもマンフレートも素手での戦いに遅れを取りました。私はこれでも素手の立ち合いは何度かしておりますゆえ、二人よりは賢しく立ち回って見せましょう」


と、騎士様が構えるので、リーシアも木剣を置いて、右前の四六式に構えてみる。

騎士様は両拳を顔の左右に構え、軽く跳ねながら拍子をとりはじめた。前世でもあまりみたことがない構え方だ。


たったったったっと細かい拍子が刻まれる。


なるほど、やりにくい。


「シュ、シュ」


という呼気と共に左拳が飛んでくる。あたる距離ではないので、反応せずにじわりと歩をすすめる。


と、スッと踏み込まれて左拳が右眉辺りに当たった。衝撃というほどのものはないものの、進めた歩が止められるので、少しくらっとする。


とその瞬間に、左頬を思い切り撃ち抜かれる!

頭の芯に当たって、こちらは相当な衝撃をくらい、眼前がチカチカする。


が、こういう時こそさらに攻撃が仕掛けられるので、前に掲げていた右腕をたたむ。


その右肘を左拳が叩くけれど、調子よく拳を肘が叩き落とす形になる。拳はリーシアの右脇腹を抜け、騎士様がバランスを崩したのがわかった。


左顔面を撃ち抜かれた勢いを生かして、そのまま左足をすすめ、左頂肘を打ち込む。


が、浅い。肋を捉えきれずに脇腹をかすっただけに終わる。


頬を打ち抜かれたせいで芯がずれているのかも。


それでも騎士様を突き飛ばし、尻餅をつかせることには成功した。


「ふー」っと息を吐き、頭を振って、意識を確認する。


強い。



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