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神槍は転生してもやはり神槍を目指す  作者: Scull
第2章

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第5話 無傷

「では始めるが良い」

と、王様の許可がおりたところでマンフレートさんの方にむきなおる。どっちにしたって、騎士を名乗る以上はこれぐらいの意気がなければならないだろう。


正直に言えば、剣よりは槍の方で戦いたいんだけどな、と思いながらも剣を下げる。八極拳の動作は形意拳のように槍の動作を元に作られているので、あまり剣との相性は良くはない。騎士さまの元で剣の修行を怠ったつもりは毛頭ないけれど、やはり槍の方がまだしっくりくる。


マンフレートさんもリーシアと似た構えをしている。と、右手が不意に動いた。


当然即座に体は反応し、剣背に刃先を滑らせるように打ち上げる。軌道をずらした剣尖の下をかいくぐり掌打をねらう。が、敵もさるもの、剣を振り抜かずに切り返し、胴を狙ってきた。おまけに体はしっかり左手でおおい、掌打の打撃はずらされた。


『やる』


もちろん相手の剣は掌打のために引いているのでその勢いのまま、相手の剣背を今度は上から撫で落とす。


と、今度は手首を返して剣先を引っ込め、剣首の部分でついてくる。ここまでわずか一拍子。


音にすれば「カカカッ」っとしか聞こえない。木剣なので当然火花が散ったりはしないが、右掌には相当な衝撃が伝わってくる。


剣首での突きを避けるためにとびすさって距離をとる。

「ふっ」


軽く息を吐く。


「強い」


前世でもこれだけの剣の使い手はそれほどはいない。というかまあ、剣での立ち合い自体をあまりしたことがないけれど。


さて、仕切り直しだ。ヒュヒュッとマンフレートさんが眼前で剣を×を描くように振るう。


リーシアはアルヌルフさんの時と同様に、右手の剣を前に構え、一気に踏み込む。剣を持つ右腕を波のようにしならせて、剣先を連続して突き入れる。


マンフレートさんはこれを剣で払おうとするが、剣を合わせる前にリーシアの剣先が引くので対応が遅れる。

確実にマンフレートさんの意識は胸前にいっていて、先ほどアルヌルフさんが倒された時の一手が拭えていない。


引っ掛けるように右前足を踏み込んでみせ、震脚を響かせる。


ズシンという響きにマンフレートさんの意識が完全に腹の防御にいった。その隙をつき、眉間に剣先を突きつけた。


「ま、参った・・・」


こうしてリーシアは、二人目の騎士を傷つけることなく下すことに成功し、ほっと息をついた。

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