表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/180

第45話 従士見習いカタリーナ

リーシアは月のものもはじまったし、激しい運動をすると胸が擦れるようになったので、布を強く巻いて押さえるようになっていた。近頃はその身支度の間、他の従士から微妙な距離感をもたれていた。いっそカタリーナと二人部屋になることで、かえってスッキリする気がする。


月のものはとにかく危険だ。よく気をつけておかないと、戦場での命取りになりかねない。


あれ以来カタリーナはリーシアに対して腰がひけてるようだが、正直そこまで構っている余裕はない。練功、剣術槍術、体力づくり。当然カタリーナにもきちんと指示を出さねばならない。騎士さまに身柄を預けられた以上は、カタリーナの不始末はリーシアの不始末に他ならない。


朝はリーシアよりも早く起きるように叩き起こす。流石に男子従士たち同士のように尻を蹴飛ばすようなことはしないが、まあ似たり寄ったり。水汲みに駆り出す。流石に男子従士と同じ重さは持てないけれども、眠りこけてる男子の従士見習いよりはよほど厳しい。


部屋の掃除は二人だけでおこなうために、以前よりは大変になっている。

二人で体をほぐした後は、リーシアは套路を通し、カタリーナには馬歩站樁を命じる。当然すぐに潰れるけれど、すぐにほぐして繰り返しておくように命じておく。


朝食は他の男子従士、従士見習いと一緒にとる。


食後は畑仕事。カタリーナはぶうぶう文句を垂れるが、相手にしない。

いわく

「騎士に出仕した意味がない」

「これなら村で農夫になったほうがましだった」

「これではせっかくの力が衰え、腕がなまる」

などなど。


ただ一言だけ言っておこう。

「出仕した以上は、村では死んだものと同じ。帰っても家などない」と。


あっという間に涙ぐんで、ぐすぐす言い出してしまった。


結局これによって、相手にできなくなってしまっただけだったが。

午後には走り込みと体術。カタリーナに体術は早いので、刁球を作らせておく。体術にはカルルと八極対練をする。自分のため、というよりも、カルルに八極拳の闘い方を学ばせるのが目的だけれど。


陽が傾いてきたら夕食の支度を始める。

腹がくちくなったら、早めに床につく。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ