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神槍は転生してもやはり神槍を目指す  作者: Scull
第1章

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第43話 立ち会い

「始めろ」

という騎士さまの声でリーシアは左足を半歩すすめ、左四六式になった。カタリーナは歩を進めるでもなく、腕も両脇に垂らしたまま。


これはあれかな?お祭りでの腕上げしか、腕比べの経験がないってことかな?


仕方がない、前手になる左手の甲側を見せ、四指をひょこひょこ動かした。

ライ

まあ北京語が通じるとも思えないけど、意味はわかるでしょう。こういう時は腕の劣るものから攻めるものだし。


でも、カタリーナは動かない。カタリーナの間合いにつま先を入れてみるが、これでも反応がない。うむむ。


仕方がないのでさらに歩を進めるが、まだだ。

手を伸ばせば、リーシアの手が取れる距離になった時、ようやく右手を上げてリーシアの左手を取ろうとした。左手を取られる前にさらにすすめ、左手で右肩を軽くつく。


「あっ」

とたたらを踏んで尻餅をつく。まだ怪我はさせてないはずだけど、驚いたのか、すぐには立ち上がれない。


「来」

再び誘う。


立ち上がるが、リーシアと自分の右手を交互に見ている。

いや、これでは強いとか弱いとか以前の話だ。


「話になりませんね、こちらから行きますよ」

と言って、先ほどよりもさらに力を抜いて左肩を打つ。またたたらを踏んでさらに後ろに尻餅をつく。


「ま、ままま、待って!」

尻餅をついたまま、手を前に出して避けんとする。


「待つ?戦場では待ってと言って待つ敵はいませんよ」


「だって、だって!」


ふむ・・・。


「だって、こんなの聞いてない!」


騎士が馬に乗って戦場で、腕の持ち上げで勝った負けたとでもいうつもりだろうか。


「そんなことは私は知りません」


「だって!だって!!」


さて困った。振り返って騎士さまをみると、目を伏せて首を振る。

まあ、そうでしょうね。


「わかりました。お遊びにお付き合いしましょう。

「ただし、私は村の祭りで3年間、一度も負けたことはありません」


「!」


カタリーナの前に立って、左手を出す。左手が握られたので、カタリーナの左手首を掴む。

まあ、鍛えてはいるけれど、単純な力比べでも負ける気はしない。化勁を使って倒してもいいけれど、それでは納得しないだろう。


「はじめ」という騎士さまの微妙に張りのない声でカタリーナが力を入れた。


まさか、本当に力だけで姿勢を崩すつもりだったとは。こんなものは体重を少し落とすだけで防げる。さらに持ち上げようとする力を逆に使えば、相手の姿勢を崩せる。

村のおじさんたちも体験者が何人もいるんだから、もう少し伝えてくれてもよかったのに。


体重を落としてバランスを崩し、さらに右腕を下に落とすと、今度は真下に尻餅をついた。


「え、え、え・・・」


目も口もまん丸に開いてて、なんだか不思議な人形のような顔になってる。

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