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神槍は転生してもやはり神槍を目指す  作者: Scull
第1章

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第26話 功夫

次に仕掛けてきたのは、探馬掌。打ち下ろしてきた右掌を左手で払いながら、右にさける。と、カルルは左で頂心肘を打ってくる。なるほど、さっきの猛虎硬把山を見よう見まねでやろうというのか。


が、当然こんな頂心肘が効くわけもない。功夫こんふーが足りない。腹で受けて、「フン」と息を吐いて、弾き返す。


わかっていれば、こんなことだってできる。


カルルは再びとととっと、後ろに下がった。


「悪くないよ、カルル」と、声に出す。


届いたんだろう、カルルの目がパッと明るく輝く。いいね。と、そのまま踏み込んできた。これは予想外。拳は右か、左か。


こういう時にはこちらが先をとる。ツッと左足をすすめて左掌で目を見開いている、カルルの左肩をつく。


またもやカルルは尻餅をついた。でもすぐに立ち上がり、構える。

ヘンハオ。

「悪くないね」


「どうも」

と、初めて返事してくれた。


また前進してくる。前足として着地した左足で震脚して、右踵を蹴り上げてきた。これはまた!直進してきたから左に避けたが、偶然とはいえ助かった。

完全に後ろを取ったので、そのまま貼山靠を当てる。怪我をしないように。


おじさんたちはそれほど手加減する余裕はなかったけど、カルルはまるで相対練習のようだ。拳がまっすぐで、リーシアを殺そうというのではなく、あくまでも自分の腕を見せようとしている。これがいい。まるでカルルが「これだけ練習したよ!みてみて!」と言ってるようで好ましい。


ただ少し、自分で工夫しすぎたのか、少し風格が変わってしまっているところがある。ごく僅かな違いだけれど、そこは後で直さなくては。


今度は拳を振って横打。今度はさがって、カルルの工夫を見てみよう。と、右横打の間から左拳を突いてきた。右掌は上にはねあげ、架打になる。ここは右下腕で受けてそらす。


すると今度は右足をすすめて、振り上げていた右腕を打ち下ろしてきた。ヘンハオだ。

前足にしていた右足を右に開いて体の中心をずらして避け、肩で受ける。

頭を狙ってきた打撃は肩で受けることで力の出しどころがずれて、肩の僅かな動きだけで勁を化することができる。

勁を化すと、勢いの余ったカルルは脇を通り抜けてタタラを踏む。こちらも追撃はせずに、体勢を立て直す。


カルルの息が上がりかけている。リーシアにはまだまだ余裕があるけれど、カルルは次ぐらいで限界だろう。


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