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神槍は転生してもやはり神槍を目指す  作者: Scull
第1章

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第25話 再会、カルル

騎士様が俯いたまま、「ぐぬぬぬぬ」と唸っている。

何かを手に持っていたら、そのままへし折ってしまいそうな肩のいかり方だけど、幸いなことに何も握ってない。くわっと顔を上げると、血走った目を居並ぶ配下に飛ばす。


めつけられた騎士様の配下たちは騎士様と目を合わせないように、視線を逸らしている。


と、一人の男の子が手をあげた。

「俺にやらせてください、騎士様」


まだ声が低くなる前の、子供の声。皆が一斉にそっちを見るが、どの視線にも落胆の色が隠せない。体格はわずかばかりにリーシアよりは大きいものの、やっぱり子供のそれだったからだ。


ただ一人、リーシアだけは「カルル?」と思った。一年ぶりにあうカルルは、リーシアの思っていた以上にたくましくなっていた。正直に言ってリーシアは、この1年の鍛錬ですっかりカルルの体格を上回っていただろうと思っていたから、その自分をさらに上回るほど大きくなっていたのは予想外だった。


ぷっくらしていた頬はややそげ、日々の鍛錬の厳しさがうかがえる。顔色はすっかり日焼けして、真っ黒になっている。


村のみんなはあんまりカルルのことは覚えてないのか、あまりピンときてないみたい。


「よ、よし、カルル、やってみせろ」


とは騎士様。


カルル・・・。


カルルは進み出てくると、リーシアの前で四六式に立ち、右前に構えた。

三尖相照も守られて、悪くない。

「ヘンハオ」

リーシアも同様に四六式に構えて様子を見る。と、すす、すすと歩をすすめてくる。ヘンハオ、ヘンハオ。


もうすぐ、と思ったちょうど間合いに入った時に、仕掛けてくる。真っ直ぐないい拳だ。こちらも前手を合わせてほうする。

崩したところに追撃しようとすれば、既に左腕で腹を守っていて、打撃を受け流した。


ととととっと、後ろに下がる。うまいこと衝撃を受け流したね。


傷を受けずに下がり、すぐに体勢を立て直す。ヘンハオだ。


体勢を立て直すと、騎士様たちから「おおっ」とどよめきが起こった。そうだろう、そうだろう。カルルだって、伊達に1年以上も仕込んだわけじゃない。ただ、カルルには化勁は教えていないから、なかなかうまい防御をしたとしか言えない。よほど鍛錬したんだろう。


ここで追い討ちをかけて痛めつけるようなことはなんだかしたくない。

また、すす、すすとすり足で進めてくる。

間の詰め方が悪くない。


今度はどう仕掛けてくる?



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