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神槍は転生してもやはり神槍を目指す  作者: Scull
第1章

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第18話 別れ

翌年、フィオンさんの代わりにカルルが夏祭りに出場したが、カルルは流石に緒戦で敗退した。いくらなんでも、夏祭りの余興に勝つためだけに、本来しなくてはいけない修行をおろそかにして化勁を学ばせるのは神槍李の考えにもあわないし、リーシア自身も違うと思うから。


ただし、緒戦で敗退したとはいえ、まだ七つのカルルが村の力自慢たちにそこそこ拮抗し得たということはそれなりに評価された。


そしてカルルは久しぶりに騎士様に従士見習いとして出仕することが決まった。


毎年というわけではないが、村で七つになる子どものうち、力自慢、またはその他の理由で希望があれば、村の代官を勤められている騎士様のところに出仕することがある。

少年たちはそこでまず、騎士としての作法、武芸を学び、長ずれば従士として騎士様に従ってお勤めをはじめることができる。


従士として戦働きが領主様に認められ、また、任せられる領地がある時には、領主様の元で騎士様のように代官として村を治められる。

神槍を目指すリーシアは、いずれ自分がすすむ道として強く意識していた。


その、従士見習いとして、一の弟子、カルルが出仕する。


これはリーシアとしても気を引き締めなくてはいけないことだ。


鼻息荒く、気持ちを入れて拳を握りしめていたら、兄さまに笑われてしまった。そんなに変な顔をしてたのかな、失礼な。


とはいえ、出仕した早々に騎士様にがっかりされたくはない。来年まで、これまで以上に功夫を高めておきたい。


修行に無理のない範囲で、どこまで高められるか頑張ってみたい。


カルルが出仕したことで、当てにしていた八極対練ができなくなったけれども、それはそれ。いっちゃなんだけど、前世だってそんなに弟子同士で仲良く鍛え上げたりなんてしてなかった。


思いかえすとなんだかさびしい話だけど、今生でのリーシアはカルルがいる。それだけもなんだか嬉しいし、前世でだって弟子たちには恐れられたけど、武士会の会長とはいい付き合いをさせてもらったし、なついて「武術爺さん」と付きまとってきた子どもたちだっていた。


うん、そうだ。カルルがいなくたって寂しくなんてない。


関門弟子になった劉もずいぶん可愛かったものだ。

最初に会ったときでも10歳だといっていたから、今のリーシアより年上だったけど、素直にいうことを聞く、いい子だった。


今のリーシアから見ると、ずいぶんお兄さんな感じがする。20歳ぐらいまでになった記憶があるけど、村のおじさんたちとは違って髭は伸ばしてなかったし、サラサラっとした黒髪といい、黒い目といい、なかなか好ましい。


どうしても前世の記憶というと、目つきの悪いおじさん、おじいさんばかりで、なんかパッとした人がいないけど、この雲樵さんはいい。



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