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神槍は転生してもやはり神槍を目指す  作者: Scull
第4章

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第44話 決意

二、三日ゆっくりして、買い物をしながら旅の疲れを癒し、空いた時間には鍛錬をして過ごす。当然、ベル師匠、フィルさん、力強きものも黙って一緒に鍛錬するけど、レルの街で知り合った男たちも二人ほど顔を出して宿の中庭で汗を流す。


とはいえ、まあ男たちでは金剛八式まではともかく小架、大架まではついてこれない。まあ、それはそうか。そんなに一日二日で上達するなら功夫なんて言葉は生まれない。リーシアにしたって、もう10年以上の功夫があっての今だし。

言い方は悪いけど、出会って以来フィルさん、ベル師匠が真面目に鍛錬を積んでいることが驚きといえば驚きになる。もっともそれを言ってしまえば、リーシアだって八極拳だけにとどまらず、騎乗しての鍛錬、ソード、シールドの扱い、ランスの扱いも疎かにはできない。


武術、武技などというものは常日頃からおこなっていなければ瞬く間に劣っていく。槍やソードを持つ力は萎え、感覚は鈍る。そういうことをなくすためには、毎日汗をかいていかなければいけない。正直に言って領主時代のリーシアも、少しではあるけれども、腕の衰えを感じることはあった。


李書文も、ほぼ死ぬまで毎日鍛錬を欠かさなかった。それは今生に至っても変わらない。

リーシアはそう思う。


数日レルで過ごし、色々と心身ともに刷新して、いよいよとまた旅立つ頃合いとなってきた。

王からの通行許可、食料の買い足し、ワゴンやそのほかの装備の修理と手入れ、そして気持ちの入れ替え。


これらを以て、リーシアはレルからの出立を決意する。ユーダリルにいけば以前まみえたサムソンが待っているという。どんな用件かはわからないがまあ、師匠が冷やかすような甘酸っぱい理由ではないだろう。


良くてもまあ腕比べ、悪ければ果し合い。概ねそんなものだろう。コルム攻略では見かけなかったけれども、よほど決着をつけたいと思ったのだろう。そういうことも武人ならばありうることだ。李書文の記憶にもないわけではない。


サムソンとは一渡り打ち合ったけれどもそれだけだ。並の膂力ではないその力と、それを存分に活かす技。顔を見ることは叶わなかったけれど、その目、その声、その体格は忘れない。サムソンと打ち合えるのであれば、まあ、旅する価値はあるだろう。


「いずれまた会おう」と言った彼の言葉が蘇る。

そうだ、彼とはまた会うのだ。


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