表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神槍は転生してもやはり神槍を目指す  作者: Scull
第4章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

138/180

第3話 連戦

こくりとフロールヴがうなずく。この程度で折れないのはよかったよかった。

微妙にモソモソと起き上がる。


「カルル、いけるね?」


「ああ」


君はそうだろうね。再び二人が対峙する。絵で描くと先ほどと全く同じ。フロールヴがまた左前に構えて開手とつま先を出す。カルルもまた、特に構えずに体を斜にする。


しかし、フロールヴがカルルを見くびっていないことがわかる。先ほどと同様に右拳で突く。カルルが前にした左手で捌く。太極拳の掤だ。

※太極拳の化勁。敵の攻撃の向きを自分の手を使ってそらす。


が、先ほどと違ってフロールヴもさらに歩を進めて捋させない。

※これも太極拳の化勁。こちらに向かう敵の攻撃を掴んで引き、敵の姿勢を崩す。


カルルも先ほどのような行動には出れないので、今度は右拳で突く。これはフロールヴの額に当たったので、硬いもの同士がぶつかる鈍い音が響く。


痛そう・・・。

そんなことはおくびにも出さないけれど。


人間、つい人を殴ろうとすると無意識に顔を狙いがちなんだけど、それで一番多いのが自分の拳の方を痛めることだ。頭の骨と、手の骨。見比べてみるまでもなく、どっちの方が壊れにくいかなんて、素人にだってわかる。


そう、より痛いのはカルルの方だ。痛みで拳を下げるカルルの胸に、フロールヴが左拳を入れる。


今度は硬いものが柔らかいものを叩く鈍い音がする。


音で表現すると、「ヒュッ!」「ゴッ!」「どすっ!」。


ただ、カルルも後ろに下がっていて胸への打撃は多少流している。


少し達成感を得たフロールヴの油断に、カルルの打ち下ろしが当たる。探馬掌、あるいは猛虎硬把山と言われる。打ち下ろしの勢いでフロールヴの防御をまとめて打ち落とした。


カルルの打撃を受けたフロールヴの右拳がその勢いのまま、右額を直撃する。


カルルがそのまま、左頂心肘を打ち込みかねなかったので、


「カルル!!やめろ!」

と、止める。まともに猛虎硬把山なんて入れてしまったら、大怪我をさせかねない。


ハッと気がついたカルルが寸前で肘打ではなく、下腕の側面打撃だけでとどまった。それでも八極拳の打撃は威力が高いので、フロールヴを吹き飛ばして尻餅どころか、まともに打ち倒す。


頭だけは打ってくれるなと思うのだが、頭が床に当たったような音はしない。少し安堵する。今度は意識があり、もぞりと起きあがろうとする。


「ヘンハオ」


「う・・・」


「まだやるかな」


「と、当然だ。まだ貴様の力をみていない・・・」


痛々しいなぁ・・・。


「わかったよ。怪我だけはしてくれるなよ。

「カルル、休んでいて。ぺぺ。フィレベルクさんに教わって、カルルの手当てを」


「はい!」っと、ぺぺが飛び上がるように返事をした。元気があってよろしい。


入れ違い様、カルルがボソッと

「流石に小さい頃から騎士として育てられてきたやつは強いな。疲れたよ」と言った。そりゃそうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ