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神槍は転生してもやはり神槍を目指す  作者: Scull
第3章

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第43話 論功行賞

長い土産話の翌日、カルルとフィルさんを伴ってリーシアは登城した。正直に言って、全く期待するところはないのだけれど、カルル自身はコルム領主を任命される気が満々で、朝からずーっと


「どう断ったらギュンター公って、気分悪くならないかなぁ」


なんて悩んでる。全く呑気なものだ。微笑ましい。そんなわけないのに。


大広間には一番乗りだった。前回はギリギリだったけれども、今度は余裕を持って先着している。朝のまだ暗い大広間に3人だけで立ち、待つ。

沈黙してはいるけれど、カルルはまだ「不要妄打如意算盘」の真っ最中だ。


しばらくすると、従士を伴った騎士が入場してくる。こちらがきちんと末席の位置に立っているので、皆一瞥をくれてから主座に近い方に並んでいく。リーシアは従士も含めて一人一人に会釈をしておく。


末席とはいえ、論功行賞も3度目だ。少しは慣れようというもの。

中央を開けて両脇に整列してから、主座にギュンター公がエーバーハルト様、ラド様を伴って現れた。


またも末席のリーシアから順に褒賞が与えられ、一通り済まされていく。今回は前回のファイト殿のような一悶着はなく、それぞれ褒賞を受けていった。そして終わってみればコルム自体は当面は領主をおかずにギュンター公の領地として、イストドルフ領主のフェルディナントさんが代官となることになった。

カルルが気配でわかるほど落胆したのがわかって面白い。


口ではああ言っていたけど、やっぱり内心、自分が領主になれると思っていたんだな。カルルの名誉のために、フィルさんに目配せをして口外しないようにしておく。


今回のカルルの働きで得た金貨も、リースブルク建設のためにはとても助かる。それでも、今回リーシアはこの金貨を得る働きをしたわけではないので、砦に戻るとすぐに、みんなの前でフィルさんとカルルにそれぞれ分け与えることにした。


これには師匠もフィルさんも、メルさんもカルルも驚いた。


「そんなに気に入らないなら、私が領地経営に使うよ」と言って、返してもらう。

まあ、お金はあって困るものではないし、つまらない買い物なんてする気もない。それでいいんだろう。



それにしても、ウェスタヤルトにはリーシア以降、新しい騎士がこない。なのに、イストドルフ、砦、コルムと領地ばかりが増えている。リースブルクでもぺぺを育ててはいるけれど、ほかの騎士様たちはどうなんだろう。


結構、防衛網に穴ができていそうな不安がある。


まあ、他の騎士様の領地にまでは口出しできないから、まずは隗より始めよではあるけれど。



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