第42話 戦後処理
バウト様の入城はソルザルよりも後になったな。まずはレルム側の城門、城壁の確認をして、そこに歩哨を立て、レルムからの兵士が入ってこないかの監視が必要になった。元々少しレルム側の防御は薄いから、警戒は大事だった。
こっち側の城壁はともかく、城門は突破しちゃったからどうにもならないけど。
すぐにソルザル、フィレベルクさんも入城して、テントを張ってな。それでもどうしても抵抗する人間だけはとっ捕まえたり、討たなきゃいけなかったけど、こればっかりはな・・・。
降伏しさえすれば、こっちとしてはそれ以上やるつもりはなかったけど、こればっかりはなあ。後味の悪いことさ。
そうして安全が確認できてから、バウト様の入城さ。
一応はギュンター公の名代としてバウト様が新しい町長の任命をおこない、当面の代官としてまたもやフェルディナントさんが任命されることになったんだよな。
俺も戦争っていうやつは初めてだったからさ、今回ばかりは疲れたな。
フェルディナントさんはイストドルフに去年から引っ越してきてたんだけど、今度でまた引っ越すことになるのかな。よくわからないけど。
フェルディナントさんもあくまで「正式な代官ではない」ことはわかってるっぽくて、あんまりごちゃごちゃいうつもりはないみたいだったけどな。従軍した以上、誰が代官になるのかはちょっとだけ気になるよな。
フェルディナントさん?
うーん、どうだろうな。正直それはないんじゃないかと思うんだよな。確かに早めにウェスタヤルトに援軍を頼んだのはお手柄だけど、イストドルフに続けてコルムもっていうのは他の騎士からすると妬ましいと思うんだよな。
え、俺が妬んでるんじゃないかって?ないない。リーシア見たってわかるだろ。領地経営なんて面倒なだけだよ。大変だよ。
ロタールさんは結構「今度こそ」とか思ってたみたいだけど、正直俺から見てもあんまりロタールさんが頑張ってるって思えるところなかったんだよな。
とは言え、今回一緒に出ていった騎士はロタールさん以外みんな、従騎士だったしな。ラースさん、カルルマンさんを差し置いて領主に任命するわけにもいかないだろうし、部下の手柄でラースさんやカルルマンさんが領主になるっていうのもなんか違う気がするしな・・・。
この辺、どうなるんだろうな。あんまり興味ないんだけど、なんかちょっと気にはなるよな。
フェルディナントさんが当面の代官をやるためにコルムに残ることにはなったけど、フェルディナントさんの一党だけではどう考えても手が足りないからなぁ。ウェスタヤルトの市中巡回、イストドルフの防衛、イストドルフ砦の駐留に加えてコルムの駐留ってもう無理だからね。ラースさん、カルルマンさんの従騎士が一人ずつコルムに残ることにはなったけど。
ああ、そうなんだ。
フェルディナントさんって、最初はイストドルフの代官だったんだね。ああ、ああ、ファイト様の件で結局領主になっちゃったけど。
するとフェルディナントさんが代官になるっていうのはありって言えばありなのかなあ。わかんねえや。その辺は、今度やる会議でわかるんだよな。
俺はリーシアと一緒でいくらか金貨をもらえるんだろうな、きっとな。
え、代官にさせられたら?
嫌だなぁ、またあそこまでいくの・・・。まあ、命令だったらいかなきゃいけないんだけどな。
今度の話はこんなところだよ。どうだ?
ああ、坊主3人はもう寝床の中か。遅くなっちまったな。俺ももう眠いや、寝るわ。
おやすみだな。




