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神槍は転生してもやはり神槍を目指す  作者: Scull
第3章

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第34話 事後

結局、ファイト殿はそのまま放逐に至り、ウェスタヤルトから姿を消すこととなった。所領は全てバウト様か、アドルフさんたち、コルム攻略に参戦した騎士の一部に分割された。

もちろん、大した戦功のなかったリーシアをはじめ、イムレさん、ロタールさんには何もなかったけれど。


もちろん放逐は秘密裏におこなわれ、いつおこなわれたかは、リーシアの知るところではなかった。全てが決定され、実行されてから騎士連中たちに知らせがいっただけだった。その知らせもファイト殿に好意的に振る舞ったものは、ギュンター侯に対する叛逆とみなすといった、考えようによってはとても冷酷なものだ。


もちろん、事情を知るリーシアはそのギュンター侯の判断が冷酷な合理性だけでおこなわれたものではないと理解しているけれど、ウェスタヤルト領民の中にはあまりにも冷たすぎるのじゃないかと、ささやくものもいた。


そう酒場で問い詰められて、領民たちにはっきりと答えられる騎士はいない。それはリーシアも同じだった。特にリーシア砦の領民たちは事情を知るので、なかなかに気苦労を抱えているようだ。緘口令を敷いているので、なかなか他の領民と交流しにくいようだ。


それでもこの雰囲気で真実を暴露なんてした日には、非難はギュンター侯からリーシアに一気に移り、もはやリーシア砦を維持し続けることはできなくなる。もちろんそれがわかっているので、砦のみんなは沈黙を守り続けている。


クリムヘルトも妊娠し、お腹が大きくなり始めた。メロヴィクの家庭はまだ、子作りはしないようだ。夫婦で連れ立って狩に出掛けては獲物を持ち帰る。

毛皮や羽根は売りに出され、肉は貴重な食料だ。常に食料が手に入るわけではないけれど、狩とはそういうものだ。


スキュラがまだ子供にかかりきりで農作業には人手不足が否めない。

鍛治についてはウェスタヤルトの鍛冶屋に任せざるを得ないけれども、グリフォンの馬具?など特殊なものがあるので、できたら専属の鍛冶師を雇いたいものだけれども、まだそこまでの余力がない。


館もまだ壁ができた程度で、屋根がかれていない。


まだまだだけれども、秋になってから、独り立ちを始めたという少年を一人、従士見習いとして採用することになった。

まだまだ全員で雑魚寝をしつつ、農作業や教練をする。


リーシア砦ではシギベルトやギーゼルヘルのような農民でさえ出征するので、教練も皆でする。とはいえ、おそらくは他の騎士ではやらないような、八極拳の鍛錬が主になるのがリーシア砦らしいといえばその通り。


少年兵ペペは、真っ先に騎馬式の站樁でつぶれ、初日は鍛錬どころではなかった。


リーシアも自分が鍛錬し始めた頃を思い出して、なんともいえぬ思いを抱いてしまった。ここで調子に乗るのがカルルなので、ぺぺに偉そうな自慢を始める前に、リーシアとの出会いについてみんなに話しておく。


特に鼻水の汚さについては強調しておいて、みんなの気持ちをほぐしておく。


改めてカルルと比賽してみせて、なぜ年下の、女のリーシアがカルルの師匠でかつ、砦の主人であるのかをわからせておく。

ただし、カルルが騎士の叙任をリーシアと一緒におこなったのは、別に実力が他の騎士より劣っていたわけではないことは強調しておく。カルルはリーシアの知る限り、リーシアに迫れるほどの実力を持った騎士なのだ、


ただちょっと調子に乗りやすいのが欠点だけど。

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