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神槍は転生してもやはり神槍を目指す  作者: Scull
第1章

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第12話 2回戦/化勁

1回戦を勝ち抜いたリーシアは、一旦脇にどいてサムエルさんと同じく1回戦を勝ち抜いた、フィオンおじさんだ。フィオンおじさんとはお祭りの説明のとき、軽くやらせてもらってる。


「2戦目。最初の試合。サムエルとフィオン!」


背はサムエルおじさんの方が拳一つぐらい高いみたい。リーシアからみたらあまり違いはないけど。


二人が広場のまんなかで向かいあう。フィオンおじさんがチラッとこちらを見た気がした。相手の手首を握りあう。うん、やっぱりがっちりつかんでる。


「はじめ!」


二人がやっぱり顔を真っ赤にして、相手を倒そうとする。結局、相手をもち上げれば倒しやすくなるので、相手の左手を持ち上げようとしながら、左手をどれだけ持ち上げられないようにふんばるかっていう勝負になる。


ただこれにリーシアがそのまま乗ってしまうと勝負にならない。多分、ふんばって持ち上げられないようにすれば、体ごと持ち上げられ、そのまま放り投げられて終わる。そこをいかにいなして、いってみれば「芯からずらすか」がリーシアの工夫になる。

確かあの太極拳家は「化勁」と言っていた。


ほう・ポン」は相手の力の方向を変え、自分に当たらないようにする。


り・リィ」は相手の攻撃をとらえ、引きながら崩す。


せい・ジー」は自分の手を重ねて打つ。


あん」は手のひらでおす。


さい・ツァイ」は相手の手をつかみとる。


れつ・リィエ」は相手の力をひっくり返したりしてさえぎる。


ちゅう・ジョウ」は肘で相手の力を変える。


こう・カオ」は体を当てて、相手の攻撃をそらす。


確かそうだった。とはいえ、八極拳の李書文にしてみれば、肘だの靠だのは防御のために使うよりはそのまま打撃として打ち込んでしまった方が、話がはやいと思った。今でも「実戦ならそうだろう」とは思う。

けど、村のお祭りで怪我人をだすわけにもいかない。こういう出し物めいたことなら、あの太極拳家のいっていた化勁が役にたつ。


「フィオン!」


と思っていたら、勝負がついたみたいだ。


あのおじさんが、サムエルおじさんを転ばせ、手を差しだして起きる手助けをしてる。


「第二試合!ルークとリーシア!」


呼ばれた。まんなかに進みでる。

今度のおじさんは髪が真っ赤だ。背は高くはないが、体つきが恐ろしくがっちりしてる。腕なんか、リーシアの腰回りぐらいの太さがありそうだ。


これは困った。手首が太すぎて握れない。

「ジョールグさん」って、訴えてみる。


「頑張れ」としか言ってくれなかった。

逆に、握られた左手首がもうなんか、肘までルークおじさんのゲンコツみたいに見える。

これはさすがに・・・。


腕が折れなければいいけど・・・。


「はじめ!」


左手がぐっと持ち上げられるが、これも力みを捨ててわずかに「虚」を作る。とはいえ、そのまま力を抜いたままなら腕をねじり上げられ、関節を決められて終わるので、ルークおじさんが持ち上げた時に感じた「虚」で反射的に力がずれた瞬間に今度は押し込む。

身長差から、今回は下向きに崩してみたけれど、少しねばられた。


右手は今回、にぎれてないからほとんど役に立たない。けど、ここは捋を使って崩す。


ルークおじさんが甘くみて、足腰をまっすぐにしていたのが幸いした。崩されたあと、後ろ足になった左足が、崩しについてこれず、上半身が泳ぐ。

後ろに下がりながら、左手も右に引くとルークおじさんが倒れた。


うん!やった。


「リーシア!」

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