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神槍は転生してもやはり神槍を目指す  作者: Scull
第3章

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第25話 しんがり

潰走するファイト軍の前線に立って後退支援をせんとするリーシアだったけれども、コルムの城門から飛び出てきたレルムの軍勢には流石に腰が引けそうになる。

シールドを前に構えて、スピアをぐっと腰にためる。


と、


シールドの脇に、シールドを連ねるものがいる。

「助太刀するぜ!」

と、横からアドルフ様の声がする。シールドを連ねたのは、アドルフ様の従士たちか。


「助かる!」と返事をして、殺到するレルムの兵をクッと睨む。


突撃する時、人はシールドを前に構えては走れない。騎兵もいないのであれば、やりようはある。


槍を構えるレルム兵の中には、盾を捨てたものさえいる。


「構え!」頃合いをはかって、指示を出す。


「突け!」

と突く。もちろん十分に輾糸(てんし)を利かせておく。ここでは多勢に無勢なので、第二撃はすぐに準備する。

「構え!」


「突け!」


もちろん、アドルフ様の兵ではこの速さについてこれないけれども、構うことはない。


当然リーシアに突かれたレルム兵は一撃で(たお)れる。後ろに吹っ飛ばされ、タタラを踏んで倒れ込む。そうして倒れ込んできた兵士を真正面から受けた後続はさらに支えきれずに倒れ、突撃を止めてしまう。


「後ろに下がるぞ!」とさらに指示を出す。

「1歩!」


ざっと退がる。退がりながら


「突け!」


さらに突く。


「退がれ!1歩」


数回突き崩して、わずかずつ退がる。


殿しんがり!本隊後退の用意はできた。退がる用意をせよ!!」

とは後方のファイト様。


「おう!」と声をあげ、「全隊、後退用意!」と張り上げる。


「突け!」


「後退!1歩」


これでリーシアは3人は斃し、一人は負傷させている。

両脇の従士たちもそれぞれ一人二人ずつぐらいは斃しているはずだ。


少しでも敵を削れて勢いが削げれば、本隊後退の隙は稼げるはずだ。


レルム兵も当初の勢いはなくなり、リーシア隊の隙を隙を窺うようになっている。これでいい。


「突いたら退却!退けっ!!」


と叫んで、一気に駆け出す。こんなときは下手に踏みとどまると、機を見ることができない兵は退き際を見失う。指揮官が先頭を切って離脱するぐらいでちょうどいい。シールドは背中の鉤に引っ掛けて、背負っていく。スピアは肩に担ぎ、石突を手のひらに乗せる。

そのまま一気に走り出す。


支度を整えていたワゴンに飛び乗り、背中のシールドを再び構え直す。


「道の真ん中へ!!弓射!用意!」と叫べばキューちゃんがワゴンを引いて動き、メルさんが矢を番える。


「ファイト様はお先に撤退を!!」と促す。残りはアドルフ隊の兵が退がれるのを確認する。

ファイト隊、アドルフ隊の馬車が道行きを始め、従士、徒まわりが先行するのを待って、

「進め!」と指示を出す。


それでも追撃しようというレルムには、「てぃ!」と、射撃させる。

真後ろに吹っ飛ばされたレルム兵はフィルさんの魔導が命中したんだろう。もちろん、ファイト様の部隊の弓射もレルムに相当のダメージを与えているようだ。


これなら撤退戦もいけるだろう。



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