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神槍は転生してもやはり神槍を目指す  作者: Scull
第3章

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第23話 紛糾

軍議は紛糾し、結論は遅れに遅れた。もちろん、慎重論を唱えるのがリーシアだけならすぐに楽観論で決着し、バンザイ突撃になっただろうが、慎重論をそれとなくファイト様が支持していたので、結論が次第次第に慎重な方向にずれることになる。


いわく、突撃前にはリーシアとキュリオによる偵察を行う。


いわく、偵察の際には上空から弓射を行い、可能な限り戦力を削ぐ。


いわく、一部の部隊は一旦砦に向かって退路を確保する。


いわく、いわく・・・。


とはいえ、リーシアは馬具がないので、それほど強い陽動はできない。既存の騎馬用の馬具ではまるでサイズが合わないこともあった。


「先の砦攻略で思い知りましたが、馬具のない状態ではまるで戦力になりませぬ。

「コルムの攻略では、私は(かち)にて戦いとうございます」

と、上申しておかないと何をやらされるかわかったものじゃない。


「ふむ」と参謀さんが頷く。


なんにしても、あんまり新参者が軍功をあげてもいいことはない。ファイト様が認めてくださっているんだから、ここは諸先輩方の顔を立てておくのにしくはない。

先輩方の議論は既に誰が先陣を切るかに移っていて、もはやリーシアが口を挟むよりはない。


「ロタール殿。軍功を焦る気持ちはわからなくもないが、まずは年長者を立ててはどうだろうな?」


「イムレ様。イムレ様はこれまで軍功華やかでギュンター様もイムレ様を第一に考えていらっしゃるでしょう。若いものに多少譲ったところで、蔑ろにされることはございますまい」


「イムレ様、ロタール様。私たち若輩者にも手柄をあげる機会を恵んではくださいませんか」


もう、リーシアにはどうでもいいところに話が移っている。リーシアの隊はもはや戦闘開始前には撤退を始める算段になっている。とはいえ、実際には陽動兼、偵察を追えないとキューちゃんが馬車を引けない。タイミングはリーシアが図る必要があるから、ここは乗らないとどうにもならない。


あとはもう、先陣争いだけになったので、リーシアの思いは軍議から離れる。どの隊が先陣を切ろうが、あの防衛戦ではボロボロにされて退がるしかない。

すぐに軍議はしめられ、解散する。ファイト様はテキパキと本陣の撤退を指示し始めた。他の騎士様たちは全然そんな気配はなく、リーシアに言わせると呑気なものだ。


リーシアは隊に戻ると即座に撤退できるように指示を出す。とはいえ、ファイト様の隊よりは先行するわけには行かない。しんがりは無理だけど、大将より先に戦場をさるのは敵前逃亡だ。


斯くして、コルム攻略の支度は整った。



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