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神槍は転生してもやはり神槍を目指す  作者: Scull
第3章

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第13話 夏の農作業

夏に向かって敷地の耕作が始まった。何よりも、専従で農作業ができる人間が増えたことが大きく、耕作地はみるみる広がっていく。リーシアたちは耕作をシギベルトたちに任せ、巡回と堀割、塀の構築を進める。

作業には貸し出しをしていたロバとワゴンは引き上げ、賃料を受け取る。大した額にはならなかったけれども、冬を越える間の食糧負担を考えたら安いものだ。これからはロバと鈍気を使って食い扶持を稼いでもらわないといけない。


大きくなってしまったグリフォンたちに二頭のロバは怯えてしまったけれど、ちょっと一緒にしておいただけで互いに理解できたらしい。


潤沢な水源もあり、シギベルトによれば、今秋には麦の種まきぐらいはできそうだとのことだ。それでも冬が始まる前に少しは収穫が欲しいのでそう希望を伝えると、いくつかまける作物もあるらしい。ただあまりそう言った野菜・根菜の類は貴族には好まれないから、シギベルトからは言い出しにくかったらしい。


「私たちはもともと農民出身だから、そんなの気にしない」と笑い飛ばす。

「それでも少しは肉が食べられるような工夫が欲しいな」


「それな!」と、カルルが乗ってくる。

「買ってきた肉だとどうしても足りない気がすんだよ」


「それよりもその・・・、農民と騎士様と魔道士様が一つ屋根の下で寝泊まりすると言うのになんとも・・」


「それについては全く申し訳ないと思う」と先に謝っておくと、ギーゼルヘルが「いやいやいや!」と大慌てし出す。


「ん?私たちと一緒に寝泊まりしたくないって話じゃ」


「そんな滅相もない!!」


「リーシア、そんなこと思っていても、首を刎ねられるかもしれない彼らが口に出せるわけもないだろう」


「お師匠、言い方!」とカルル。


「まあ、いずれにしても拠点としての館の建設は急いで進めるよ。建築家には話は通してあって、あとはお金だけなんだよ。お金さえ払えば、建築家は資材を買い集めて建て始めてくれる手筈になっている。契約は書類にしてあって、師匠が保管している」


「そ、そうなんですね」


「まあいい、そう言うことで、互いの要望はこんなところかな。実現に向けて頑張ろう」


門には門扉を吊り上げるための滑車が取り付けられ、上げ下げに利用されるようになる。農民たちが砦に常駐していて、橋の上げ下げをしてくれることで利便性がとても高くなった。


カルルの要望した「肉を増やす」ことについては、一つは鶏を庭で飼うことを始めた。大きくなれば卵を産むし、ひとまず増やしやすいのでとりあえずにいいそうだ。

それから子豚を飼い始めた。当然即座に潰すわけにはいかないけれども、まずは数頭育てて大きくしてから繁殖させる方針だ。


動物たちを飼い始めたことで、砦の中が一気に賑やかになった。朝、日が登れば鶏が鬨の声をあげるし、それで目覚めた子豚たちが一気に騒ぎ出す。

掘建小屋から総出で庭に出て、水浴、朝食、朝の練功をしてから農作業をする。


柔身法から騎馬式站樁。しばらくはこれだけにしておき、秋には金剛八式を始めよう。農民たちには悪いけどこれはこの砦の義務ってことにする。

何をやらされているのか理解できていない農民たちには、農民であっても盗賊などに対する自衛が必要とか、今後兵士として徴兵するかもしれないとか適当な理由を言っておく。


そのうちに人数分の六合大槍も増やさないといけない。木も植えなきゃかな?

やることが一気に増えたような気がする・・・。

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