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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

幼馴染の救い方~人生負け組の俺が幸せを掴むまで~

作者: ぷにわぁす

どうも、ベニテングダケです。

「あは…は…」




あー、本当にクソッタレな人生だな、金も、家も家族も友人も誰ひとつない。




「一番人生で良かった時期は高校のときだっけなぁ……」




あの時は、クラスでハブられてたり、いじめられたりしてたけど、そんな事かき消すぐらいの……あれ、名前、出てこないなぁ。




「確か……わかんねぇ……多分俺の幼馴染だったはずなんだけどなぁ……」




仲良かったはずなんだけどなぁ……社会に出たら全部変わっちまったな、はは。




「大学に行ける学もない、友人もいない、就職しようにもなかなか出来ないし、やっと入れた会社がブラックだったしな……」




働いても、働いても給料は出ない、有給なんて取れない。サービス残業が当たり前みたいな会社だったよな。




「それでも必死に、必死に働いてたんだけどなぁ……あの時が来るまでは……」




幼馴染が俺の前に現れたんだよな、男を連れて。




「は?ってなってしまったよ……唖然としてたらポツリと一言『ずっと、待ってたんだんだよ?』こんなの……分かるわけねぇよ……」




でも、もう一度会いたいなぁ。




「町、歩いてみようかな」




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




ヒソヒソ、ヒソヒソ




「ねー!おかーさん、あの人ボロボロだよ?大丈夫かな?」




「ダメよ!見てはいけないわ!あれは自分のせいでああなっているから、仕方ないことなのよ!ちーちゃん、あんな風になりたく無かったらお勉強頑張るのよ?」




「はーい!」




チッ、うっせぇな、俺の全てを知らないのに、ペラペラ喋りやがって。




「あれ、テレビか?」




店の前でテレビのニュースが見れるようになっている。




「ちょっと、見に行くか」




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




「これは……」




『昨日、大阪の道頓堀にて暴走した車が人混みに突入しました』




昨日起きた事故のようだ。




『死者は3人で、氷室康さん、雨宮千尋さん、玉置千哉くんが亡くなりました』




え?




聞いた事のあるような名前……




ピキッ




「がぁ!」




あたまが、いたい。




「が、あああぁぁぁ!」




雨宮……千尋……




「あ、あ、な、なんで死んで」




分からない、分からない!




「あ」




アイツが死んだってことは……俺の今生きる意味って……




「助けなきゃ……」




でも、もう無理だ。




「クソ、クソォォォォォォォ!」




地面を思いっきり叩く。




その瞬間、俺の脳、体の全てが揺れる。




「な、なんだ?」




視界が遠くなっていく。




「あ、やべぇ……意識が……」




おれ、死ぬのか……?




い……し……きが……




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




『ねぇ?大丈夫?』




『一緒に帰ろうよ!』




『私が許さない!』




『ずっと……待ってたのに……』




「あああぁぁぁ!」




「うるさい!」




「ご、ごめん、て、母さん!?」




母さんだ、な、なんで?俺が高三の時にがんで死んだはずじゃ?




「なに泣いてんの!変な夢でも見たのかい?」




「いや……も、もう会えないかと……母さん!」




思わず抱きついてしまう。




「まったく……あんたは高三になっても変わらないねぇ」




「え?」




「あんた、忘れてるのかい?もう、いつまでも高二気分でいたらダメだって何回も言ってるじゃないか!」




こ、こうさんだって?




「ほら!あんた今日始業式だろ?だったら早く行くために早くご飯食べて用意しな!」




「わ、分かった」




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




「それじゃ、行ってきます」




「行ってらっしゃい!車には気を付けるんだよ!」




「はーい」




家を出たけど……これ、何が起こってるんだ?




「たしか、あそこで急に頭が痛くなって……そしたら何故か高校三年の敵に戻っていた?」




タイムスリップしたのか、俺は。




「たしか、この時俺はまだいじめられていなくて……」




今日って何月何日だっけ……




「しっかり見ておくべきだったなぁ……」




でも、いじめられるのを回避するには何処かのグループに入れば良かったはず。




「名前は覚えていないけど、たしかぼっちの奴を狙っていじめてたよなぁ」




高三初日でグループに入れなかったから、俺はいじめられて、ずっと耐えていたけど、何処かで爆発して……そこから周りがどんどん消えていった。




「絶対に回避してやる」




あ、それと、未来に起こることって誰かに言ってもいいのかな?




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




「おはよう!」




「おはようございます」




先生に挨拶して、校舎の中に入る。




「早めでも先生居るんだな」




この学校は2足制だ。




「結構早めに来たからな……」




誰もいなかったら悲しい。




「でな、そこで俺が言ってやったわけ!」




「おお!」




遠くで声が聞こえる。




「あ、あの髪型……もしかして!」




アイツだ。




「な、なんでこんな早く……」




急に嫌悪感が湧き出てきた。




早めに教室に入ろう。




「ずっとここにいて見ていたら、俺がおかしくなってしまいそうだからな」




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




「誰かいるかな?」




教室の扉は少しだけ空いている。




ガラガラ




「誰もいないな……」




まあ、早く来たしな、そりゃそうか。




「よいしょっと、ふう、やっぱり学生のカバンって重いよなぁ」




初日っていうのもあると思うけどな。




「あれ?電気ついてんじゃーん」




「ちょ、ちょっと!和也さん!人いますよ!辞めておいた方が……」




「あ?うっせぇな、俺に口出しするなよっ!」




「がっ!」




「次またふざけたこと言ったら、またぶん殴るぞ?」




「す、すみませんでした!」




廊下が騒がしいな、しかも殴ったのか?




「ほら、早く開けろ」




「は、はい!」




教室の扉が開く。




「本当に人が居るじゃねぇか……ま、知ったこっちゃないんだけどな?」




「お、お前……」




思い出した、名前。




「あ?なんだてめぇ?」




黒川……和也……




「な、何を持って……」




「はは、これか?ただの花瓶だよ」




白い花……多分、百合の花か?




「それ、どうするつもりだよ」




「んー?ま、サプライズかな?」




ふざけてやがる。




「それ、意味わかってるのか?」




「分かってるに決まってるだろ?ほら、邪魔だ、どけよ」




コイツら……




「あー、思い出した」




「は?お前、何言ってんだ?」




「頭狂ってるんじゃねーの?」




「大分前だけど、体、覚えてるかな?」




「は?」




アイツも、やられてたんだった。




でも、それを隠して俺を……




「悲しい過去は未然に防がないとな」




「おい、俺らとやり合うつもりか?」




「ちょっと、黙れお前ら、俺がやるよ」




「わ、分かりました」




「らぁ!」




「なんだよ、その腑抜けたパンチ、これが本物のパンチだよぉ!」




「がぁぁあ!」




顔面を思いっきり殴られた。




「これで俺達とやり合うつもりだったのか?はは、だっせぇな」




「は、はは、こんなチャンス二度とねぇんだよ……」




一発殴られただけで血が出ている。




「ここでやるのは不味いな……おいこっちに連れてこい」




「はい!」




「あ?」




「抵抗するなよ?殺しちまうかもしれないからなぁ?」




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




「ここなら誰にも見つからねぇな、いいぞ、ここに置け」




「はい!」




引き摺られながら校舎裏まで運ばれた。




「ほら、立てよ」




「はは、ここでいたぶるのか?」




「ま、お前の態度次第だけどな?」




そう言いながら笑う黒川。




でも、ここの方が好都合だ。




「このころの俺の体、弱かったんだな」




「なんだ?」




「ずっとお前を恨んでたんだ、こんなチャンス、ハンデくらいついても何も言わねーよ」




「はは、気が狂ったか?」




「狂ってねーよ……あー、初めて神様に感謝するかもな!」




「さっき分かっただろ?俺にお前の攻撃は喰らわねぇてよぉ!」




「オラァァァァ!」




「な、さっきとは違っ!」




「がっ!」




「あれ?一発で気絶しちゃった?」




「お、おい……こいつ……さっきまでとは全然違って……?」




「強いからついてきたけど……こんな奴に負けるとかダサくね?」




「お前らも……同じだっ!」




「いや、俺はまだ何もやっていません!」




「まだ?」




「ちがっ!」




ドゴッ




「ギャッ!」




「さっき疑問に思っていたようだけど……俺は人生経験が豊富だからねぇ」




「あとは……」




「ひっ……逃げないと!」




そのまま逃げていった。




「ま、いいか」




それよりも……コイツら、どうしようか。




「放置でいいか」




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




「おい!進藤!どこに行っていたんだ!」




「あ、すいません」




そう言って教室に入る。




「まったく……」




教師はため息をついた。




「もー、高校三年生の初めだよ?」




昔、聞いた事あるような声がする。




「あめ……みや?」




「あれ?びっくりしてる?」




「いや、なんでもないよ」




「ならいいよー!」




やべ、泣きそうになっちゃった……




「そろそろ授業の準備しないと行けないよー?」




「分かった」




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




「今日は色々濃かったねー!」




「そうだな」




「ちょっと不良の人が校舎裏で気絶してたり、先生が転けてたりー、あれ?ちゃんと話聞いてる?」




「聞いてる聞いてる」




おかしいな、体がちょっとずつ透けてっている。




「なあ、俺の体なんか変か?」




「え?うーん、どこも変じゃないよ?」




「そ、そうか」




どういうことだ?




「あれ……急に頭が……」




不味いかも……




「ちょっと!大丈夫?」




「あー……無理」




そうだ……あれを伝えなきゃ……




「……月……日……歩く……な」




い……しきが……




プツッ




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




「おーい、パパ起きてー」




「ん?」




誰だ……?




「うおっ!」




「えへへー」




この子……誰だ?




「ママー!パパ起きたよー!」




「ママ……?俺に?」




何が起こってるんだよ?




「やっと起きたねー!」




「え、あ、あめみや?」




「おっとー、まだ寝ぼけてるのかな?」




もしかして……




「い、いや、起きたよ」




「それなら良かったー!」




「ねぇ、ちょっと質問があるんだけどさ?」




「なに?」




「もしかしてさ……高校三年の初日の時……いーや、やっぱりいいや!」




「な、なんだよ……」




「ご飯作ってあるけど……食べる?」




「うん」




「りょーかーい!」




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




「ねぇパパー、ご飯食べた後ちょっとこっち来てー!」




「分かった!」




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




「ごちそうさまでした」




「ん!じゃ、そこにお皿とか置いといて!」




「分かった」




それじゃ、呼ばれてるし行ってみるか。




コンコン




「入るぞ?」




「どうぞー!」




「ん、それで、話ってなんだ?」




「んー、あー、えっとねー!パパって今幸せ?」




「え?」




「学校で聞かれたんだー!」




そうか……じゃ、答えは1つだな。




「幸せだ!」

ポイントくれたら嬉しぃな。

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