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Kiss of Witch  作者: かなみち のに
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12月

世間がクリスマスムードになる。

早々に小室さんに呼び出され

「週末ボランティアやってくれ。」

個人的には小室さんにとてもお世話になっている以上お断りはできない。

精神的にまだ不安定なのを知った上でイロイロと押し付けようとするのは

この人なりりの親切。

「甘い。あの人がそんな事考えるかよ。」

「そうですね。単純にこき使ってるだけだと思いますよ。」

桃さんも藍さんも文句を言う割りに楽しそうだ。

「授業さぼって行けるんだろ?そりゃ行くだろう。」

市内の幼稚園、保育園合せて8件。

街の会合で小室さんが提案し、学校に正式に依頼が届き

碓氷先生は「課外授業として出席扱いにするから存分に暴れて来い。」と言い出した。

それを聞き付けた鏑木姉妹が協力を申し出だ

(「そんな面白そうなことどうして去年誘わなかったのよ。」と怒られた)ので

物語の変更を余儀なくされた。

学校でその物語の手直しを作成していると横から魔女達がアレコレ口を挟む。

それを眺めていたグレタに魔女達が声をかける。

「折角だからグレタにも何か役を与えたら。」

ぎゃっ

「何でそんな面白そうなこと最初から声掛けないのよ。」とグレタにも怒られ

すると委員長の園原さんが「どうしたの?」といつものように心配してくれて

「きっと面白いから委員長にも何かしてもらったら。」

と魔女たちが無責任に投げつけてきた。

大変だよ。と言ってもグレタと委員長はすっかり乗り気になっている。

クラス委員長が授業抜け出してしまって構わないのだろうか。

「園原は魔女っ娘共を監視してくれ。」

と碓氷先生のお墨付きをいただいてしまった。

魔女は6人。剣士が1人。委員長が1人。

「二手に分かれたらいいじゃない。」

「でも人数的に1人余るな。」

魔女役3人。ナレーションや子供、サンタ役で1人か2人。

それぞれ兼任できる役はする。


「やるに決まってるだろっアホかっ。」

友維は昨年受験勉強に集中させるために手伝わせなかった事を根に持っていた。

総勢10名。5名ずつに分かれる事になったのだが

「くじ引きしましょう。役も含めて。」

待った!

役も含めてって事は僕も魔女になる可能性があるって事じゃないか。

「バレた。」

「いいじゃないですか。女装癖あるんでしょ?」

「え?そうなの?」

ないから。そんな癖ないから。

ところでちょっと聞きたいんだけど。皆箒に乗って飛べるの?

「飛べなくは無いけどあんな不安定な物に乗って飛びたくはないわね。」

少し考えれば判りそうだけど?とまで言われてしまった。

例えば学校にある鉄棒に座る。跨いで座ろうと椅子に座るように座ろうと、油断した瞬間にくるりと回って落ちるだろう。

それじゃ何に乗ってるの?

「何にも乗らないわよ。」

杖やグローブのような「アンプ」を使用して飛べるようになっても「普通に走るほうが楽」。

どうしても手の届かない高い場所の物を取る。だとか高い所から落ちた際の危機回避的な利用でしかない。

魔女か普段から飛ばないのは「疲れるから」。

基本的に「物理法則」に反するような作用に関してはかなりの労力を要するようだ。

「どうせなら魔力とか言いなさいよ。」

そんなゲームじゃ無いんだから。

「で?飛べたら何なの?」

舞台の上飛んだら面白いかなって。

「それなら今年の文化祭でグレタがしたのでいいじゃない。」

「私ってよりアイがしたんでしょ。」

結界を使って空を飛んでいるように見せるアレ。

「でもそれだと藍ちゃんが舞台に出られないわね。」

「いいですよ。そんなの出なくたって。」

「ダメよ。」

「ダメって。どうして貴女がそんな事。」

「藍ちゃんがかわいいとこたくさんの人に見せたいのっ。」

蓮さんは何をそんなに力説しているんだろうか。

「何バカな事を言ってるんですか。」

「バカって何よ。藍ちゃん勿体無いわよ。折角美人でスタイルもいいのに。」

「いいんですよ。たくさんの人よりたった一人に人にさえ知ってもらえれば。ね。」

は?

藍さんは僕を見詰めて何を言っているのやら。

「アンタらいつの間にそんな関係になったのよっ」

リナさんは反応せずはいられないのだろうか。

「前から聞きたかったんだけど。」

「何よ急に。」

「リナちゃんて理雄君の事好きよね?どうして?」

本人を目の前にしてなんて事を聞くのだろう。

「な、なによ急に。」

だよね。仮に万が一リナさんが僕の事を好きになったとしてもどうしてそんな事を

「一番最初の日にね。」

姉のカナさんが話し始めた。

グローブを填めて理雄君を追って、その時桃ちゃんに竹刀で叩かれそうになったの。

「あの時の魔女って2人だったのか。」

「でもね。理雄君あの時桃ちゃんの腕を掴んで私達が殴られないように止めてくれたのよ。」

そうだったっけ?

「リナはずっとそれを気にしていて、その後何度かお話して、」

「ち、違うわよっ。」

「別にそんなんじゃないわっ。ただアンタ達みたいな魔女とか猫娘が揃って囲んでるからっ」

「奪って自慢してやろうって思っただけよっ」

「カナちゃんが全部言っちゃったから何の説得力も無いわね。」

「ホントですよ。私ちょっと笑ってしまいました。」

「な、何でよ。私の言った事信じなさいよ。」

僕自身全く覚えていない。

むしろリナさん自身が述べた説明のが納得できる。

綺麗所の魔女達に囲まれていれば「どんなに素敵な男子なのだろう」と興味を持っても不思議ではない。

奪って自慢したくなる気持ちも判らなくはない。

「ただその前に。」

「期末テスト大丈夫?補習だの追試だのなんて事になったら。」

実は結構厳しい戦いだったりする。

2学期は欠席が多くテスト範囲内に不安はある。

「勉強会だな。」

「大丈夫よ。私達がつきっきりで」

「いやいや。アタシに勉強会してくれって意味で。」

桃さんは剣道で忙しかった。と言い訳をしている。

目の前のテストに向けて集中しなければならない。


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