えっ!?私は何でも切れる刃物なのに、これには通用しないって本当ですか!?
ここは、切れ味によってランク付けされる世界
ー カッタワールド ー。
そこに住む少女の物語である。
『私の名前は、軟出藻渇唾愛!』
自我や、他者との関わりを持ったとき、ずうっっとずうっっと感じてた事があるんだ!
『何と言っても、ちょ~ちょ~ちょ~凄っっいんだから!』
『わ・た・し、は最強なんだからね』
それはそれは切れ味抜群で、あの伝説の御方<危錬最野那割多>に最も近いと噂される程だった。
それが、当時0歳2日の出来事である。
→→→→→→20数年もの月日は流れ、現在に至る。
女王となった。
『さあってと、今日もスパッと生きましょう!』
意気込み良し、体調良し、周囲の環境良し、絶好調と言う他無かった。
本日も簡単な依頼なんだろ~なぁと、いつになくぼんやりしていた。
ーーーまさか、、そんな事が起こるなんてぇーーー
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≪至急依頼≫
本日迄に下記の作業を完了させよ。成功報酬は秘密。楽しみに待っておれ。
1.線に沿って切り取れ
以上
本日証拠を引き取りに参る
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『どれどれ?ふ~ん、簡単じゃん。』
『えっとぉ、スパン!スパン!と。フフッ、かんぺき。』
電子化も進み、既に紙幣による情報交換が終了している時代。勿論連絡手段は電子メールのみ。それが仇となった。
彼女には致命的な弱点があった。当然、最強なので些細な物事への関心など持ち合わせていなかった。ただ、自分は最強である!強いんだ!それだけで世間は易しい。生温い。その結果が今の自分だと、塞がらない傷を日々彫っていた。
ーーー依頼主が来た
「では、お納めしますぞ。」
『ええ、どうぞどうぞ!これでしょ?』
差し出したそれは、真っ二つに割れた真っ黒な画面のガラクタであった。
「ふむ、これは?」
『はぁ?あんたの依頼でしょお?作業通り切り取りましたよ?』
「いやいや、何を仰有る。貴方、切れ味悪いですね。」
「これで失礼致します。本日は見送りとさせて頂きます。またのご利用をお待ちしております。」
『はあぁあ?どうぞ、どうぞ、私こそご迷惑お掛け致しましたぁ』
そう、キレは悪いのであった。
『これには通用しないって本当ですかぁああああああ?』
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