プロローグ
二〇五四年、四月七日
この日、オレの人生を変えることが起こった。
オレはこの日、1ヶ月ぶりに仲良し五人組と話していた。
なぜ1ヶ月ぶりなのかというと、五年程前から日本が地球外から攻撃を受けているからだ。
その為、学校は無期限に休みになっている。だから、友人と会う事が出来なくなったのだ。
しかし、今日はこの地域の親世代の会合が開かれている為に、五人組と会うことが出来たのだ。
「慎太郎、久しぶり」
「久しぶりだな、優奈、甲斐人、直樹、臨」
まずは双子の皇座兄弟。兄の直樹と弟の臨、それから「マスター」と呼ばれたのは三河 甲斐人、そしてただ1人の女子、西藤 優奈である。そしてオレが、五人組のまとめ役の小松 慎太郎である。
三歳の時から八年、ずっと一緒にいる。
しかし、さっき言った通り、現在はなかなか会う事が出来ない。
なぜ日本が地球外から攻撃を受けているのが分かっているかと言うと、国の研究機関や、宇宙航空研究開発機構による研究によって、解明されたのだ。
特に、俺達の地元が住んでる西大泉はかなりの被害を受けている。なので、防衛ラインの多くはここに集中している。
今日開かれたいる会合は、現在分かっている事や緊急事態時の対応などの再確認だ。
「今いろいろと大変だからな」
「まぁねぇ…マスター、奴らの事で何か新情報はあるのか?」
「飛行物体は、アンドロメダ銀河辺りからきた事がわかったぐらいかな」
マスターの両親は、防衛ラインの民間副責任者である。ついでに、優奈の父親は医学的に名医の一人なので、この地域の医療班責任者だ。
「そうか。アンドロメダ銀河から…」
「あぁ。お前たちも聞いた事があるかもしれんが、この前やっと首相が地球外生命体の存在をみとめたよな?その頃に、この事が解ったんだ」
「まぁ、あそこであんな物が見つかったからな」
そぅ、2週間前に、この辺りに隕石が落ちてきたのだ。マスターの親達、つまり「西大泉・防衛本部」の人達も、その隕石の回収を手伝っていたのだ。
マスターの両親が言うには、その隕石には地球外生命体、つまり地球外生命体が作ったと思われる痕跡があったそうだ。
おそらく、首相は隠すべきではないと思い、発表をせざるをえなかったのだろう。
「優奈~帰るわよ~!」
「時間か」
「あぁ。それじゃ、次いつ会えるか分からないが、また会おうな」
「あぁ」
そう言って、オレ達は肘を軽くぶつけ合った。
四人とも、会合に来ていた親と一緒に帰って行った。そして、オレ達がいた場所には、オレだけが残っていた。
オレには、親がいない。今から三年前に、飛行物体に巻き込まれて死んだのだ。
今でも親の事を思う時があるが、今は自分の身を守る事でが精一杯で、思い返す暇はない。
ただ、俺は何かの力が欲しい、親が死んだ真実を見極めたい、その事はいつも思っている。
オレは帰ろうとしてその場を動いた瞬間、一筋の白い光が見えた。そして、そのまま気を失った。