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日常の崩落 first

 新西暦2012年5月27日、俺――黒流 音磨は12回目の誕生日を迎えた。「天才」で「魔法使い」の俺でもやはり嬉しい。

 両親は普段から仕事でいないが、誕生日は決まって親友2人がわざわざ家まで来て祝ってくれる。

 ピンポーン……

 今年も来てくれたようだ。もう午後19時にもなり空は薄暗くなってるというのに小学生2人で――

 「はいはい、いらっしゃい。こと――」

 “今年もありがとうな。”と言おうとしたが、ドアを開けて見えた景色を見て言葉を飲んだ。そしてすぐさまドアを閉めた。そこには確かに2人はいた。変な黒服2人というおまけつきで。一瞬しか見えなかったが2人は口を塞がれて助けを呼べないようだ。何なんだあいつらは。2人を連れ去るつもりか。いや、ドアの前であいつらはまだ居座っている。となると十中八九俺が目的か。だがなぜアクションを起こさない。俺目的ならとっくに強行突破してきてもおかしくないはず。とはいえ心当たりがない。狙われる理由が分からない。いやただの偶然という線も――

 ガチャ――

 はっとした。だが遅かった。

 「おやおやぁ~?鍵はしっかりかけないと危ないおじさんにはいられちゃうぞ~。」

 黒服に入られた。まさか鍵をかけ忘れるとは。2人は無事か?

 「おい、あまりふざけるなよ。こいつも『力』持ちだからな。」

 「だーからわざわざ親友ちゃんがたを人質にしてるんだろぉ~。」

 やはり目的は俺か。2人は人質ならひとまず安心か。とは言え、口は塞がれ下手に動けないよう腕は結束バンドで拘束されている。しかし力ってなんだ。

 「しっかしさっきから叫びもしないし、しゃべりすらしないな、この『こくりゅう』とかいうガキはよぉ。」

 「目標の名前ぐらい覚えておけ。こいつは『くろながれ』だ。」

 考えても2人が助かるわけでもないし、とにかくここからの一挙一動に全てがかかってくる。まず俺が発する言葉は――

 「目的は?」

 「は?」

 「目的は何か聞いてる。」

 聞くまでも無いかもしれないが、目的がはっきりしなければ次の行動に出れない。

 「けっ、しゃべったかと思ったら、つまんね。もっと泣くとか叫ぶとかしたらよぉ、どうなんよぅ~。」

 「非常に質問に答えてほしい。」

 このウゼェしゃべり方をしてるやつは適当に過ごしていいな。目標の名前すら覚えてないしな。問題はもう1人のクールな方。

 「さっきこの馬鹿が言ってただろう。目標だとな、お前が。」

 やはり俺か。いや、でも待て。

 「俺が目標って言ったのあんたじゃなかったけ。」

 「そだそだぁ~、ひとのせいにすんなぁ。」

 俺の言葉にウザイ口調の奴も便乗してきた。

 「…………」

 もしかしたらどうにかなるかもしれない。どっちも馬鹿だ。

 「ま、まあ、人には間違いがつきものだ。それに大したことじゃない。なあ、相棒。」

 「けっ、まあいいや。とにかくガキよぉ。おじさんたちと取引だ。」

 よし、後は2人を開放さえすれば俺の勝ちだ。大人2人でも「魔法」があれば勝てる。

 「と、取引って何を要求するの?」

 わざとおびえた口調で言う。自分が上にいると思わせるためだ。こういう馬鹿な奴らは自分が上にいると思えばそれを信じて疑わなくなる。そうすると、自分に不利なことも思わず喋りやすくなる。俺の経験上人はそんなもんだ。

 「こちらが要求するのはお前の身柄だ。拒否すればお前のお友達は、死ぬ。今、ここで、お前の目の前で。」

 「あんたらについて行けば2人は解放してくれるのか?」

 「約束しよう。」

 「分かった。」

 「物分かりが早くて助かるよ。ほら、こっちだ。」

 家の前に車が停められている。あれに乗れとクールな黒服は言う。俺は手錠を嵌められ、容疑者のように連れ出された。

 「人質は解放してやれ。もういらん。」

 「あーいよ。ほれ、逃げなぁ。」

 2人は解放されたようだ。後は隙を見て魔法を使って万事終わりだ。

 「ダメっ!音磨を返せ!!」

 この甲高くて5m先でも耳に来るこの声は間違いなく俺の親友の“真神 華那(まがみ はな )”のものだ。

 なんでこいつはわざわざ敵を刺激するようなことを言うかな。

 「おい、落ち着けよ華那!」

 もう1人の俺の親友の“雪落 糸泉(せつらく いずみ )”が華那の静止に入る。しかしそれを華那は聞かず、

 「今日は音磨の誕生日なの。お願いだから返してよ。」

 「俺らの目的はこの黒流 音磨なのだ。」

 華那の声に答えたのはクールで馬鹿な黒服だった。

 「なんでよ!音磨は普通の男の子じゃない!!ちょっと運動が得意で頭も良くてすごい子だけど普通の男の子でしょ!!!」

 その華那の言葉を聞いて黒服は高々と笑い出した。華那は苛立ちを更に強くした顔をした。だが俺には黒服どもの言いたいこと、と言うよりも次言うことが分かってしまう。

 「おいおい、このガキは自分が魔力(まぢから )持ちだって話してないみたいだぜぇ。」

 「いやいや、気づいて無いだけかもしれん。」

 やはりこのセリフが来た。薄々感づいていたが、心当たりなんて魔法くらいしかない。これで黒服が何を具体的に求めているかは分かった。だが、問題は2人に魔法を、いや、あの2人曰く『魔力』とやらをお披露目することだ。折角今まで秘密にすることで保ってきた関係なのに。こんなのがあるなんて言ったら気持ち悪がられるよなたぶん。

 まあ、2人を助けられないよりマシかもな。


 俺は戦うことにした。

こんにちは。とりあえずキャラ紹介を大雑把に。

・黒流 音磨……天才で魔力が使えるスーパー小学生。友達は実際少なめ。

・真神 華那……明るい子。時々無茶と無謀が分からなくなる困ったちゃんだが悪い奴じゃない

・雪落 糸泉……1話からほとんど出番がなくて分からないが、結構熱血君。悪い奴じゃない。

黒服はモブなのでカットで。

またしばらくしたら続きを投稿しようと思いますのでよろしくです。前回も言いましたが初作品なので暖かい目で見てやってください。

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