とある空間にて
読んでくださった皆様。ありがとうございます。遅くなりました。ごめんなさいm(_ _)m
『……、では頼んだぞ。本来ならば私がやらねばならないことなのだが、今の私には、お前達にこれくらいのことをするのが限界なのだ』
そう語りかけるのは、人間ばなれした美貌をもつというしかないような美女だ。真っ赤な髪に吸い込まれそうな黒い瞳、しかも美女が醸し出す迫力は、普通の人間なら泣きながら逃げ出すか、呆然とするくらいしかできないだろう。まぁ、これでも弱っているのだが……。
「大丈夫ですよ、オクト様。このくらい。オクト様にもらった力をつかえば、すぐおわります」
「そうです!兄様にかかれば、すぐですよ!それに、学園に通うのも楽しみですしね!!」
美女、いやオクトの前にいた二人の男女がこたえる。男のほうは、オクトほどではないがなかなかかっこいいといえるだろう、黒い髪に青い瞳、ややつりめで目つきが悪いともいえるが、全体的に整っていて、落ち着いた雰囲気を醸し出している。逆に女のほうは、美女を綺麗というならば可愛いといえるだろう。男とおなじ黒髪と青い瞳をもっていて、言葉の通りなのだろう楽しみだといわんばかりに目を輝かさせている。二人は、雰囲気が全然ちがうため、ぱっと見わからないがよくみると顔立ちがよく似ている。
『そういって貰えると有り難いのだがあまり力を使わないようにな。まぁ元々力が強いから大丈夫だろう。それと学園は、さっそく明日試験があるが、二人なら大丈夫だろう。とりあえずは宿に泊まるといい。金は渡してあるよな。じぁあ、たのむ。またな』
そういってオクトは力を発動した。そし
て光が二人を包み、
「はい、オクト様」
「またね、オクト様。楽しんで来ます」
消えた。 そしてその場には、
『じぁあな、カニル、レミス』
そう寂しそうに呟くオクトだけが残った。