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プロローグ
それは、まるで……神様の悪戯でした。
俺達は、確かに愛し合っていた。
何が、悪戯なのかって?
――別に、俺達は……兄妹だって知らなかったわけじゃない。
生まれたときから、知っていた。
小さい時から、共に時間を過ごした来た。
神様の悪戯は……そう、境遇だった。
――俺達の境遇は……最悪なものだったんだ。
二人で居ないと……壊れてしまうような、そんな境遇だったんだ。
汚れた恋だと言われても。禁断の恋だと言われても。
――確かに、俺は……織を愛していました。