2:迷子と出会いと真打ちと
久しぶりの更新です。
どうもすいません
「絶対に娘に手を出すんじゃねぇぞ!!」
と盛幸村はまだ娘の事で葉に言い寄っていた。
しばらくしてからそれを見ていた校長先生が「やれやれ、しょうがないな」という感じで
「それ位にしておきな。それよりも盛先生あれを持ってきて下さい」
と校長先生に言い葉を盛先生から解放した。
葉はやっと解放されたと安堵の表情し、デカい紙袋を渡された。
「これは?」
「この学校の制服です。アナタはこれからこの学校の生徒になるのですから制服が無いと困るでしょ」
と校長先生に言われたので葉は「確かにそうだな」と思い納得した。
「へぇ~、学ランかぁ。俺、学校の制服を着けるの初めてだから、なんか照れくさいな」
と渡された紙袋の中を見て言った。
ちなみに女子はネクタイを着けるセラー服である。
「コレで私達からの話は終わりです。何か質問とかはありますか?」
「そうですねぇ・・・」
と葉はしばらく考えて
「一つだけ良いですか?」
「もちろんよ」
「日本魔法局の事をフィーリアは知っているのですか?」
「一応はね・・・私達にも詳しい事は分からないから恐らく詳細までは知らないと思うけどね」
詳しい事はまだ分かっていないからフィーリアは現地に行ってから任務を聞いて来いとは言ったのだろうと葉は納得した。
「他に聞きたい事は?」
「大丈夫です。とりあえずは暫くは学生らしく学園生活を謳歌しますよ」
と葉はこれから始まる学園生活を楽しみにするかのように言ったが
「勉強もしないといけないけどな」
と盛幸村がキツい一言を言い、それを聞いた葉は苦い表情をして校長室を後にするのであった。
「彼で大丈夫なのですか?」
と葉が出て行ったのを確認してから盛幸村が校長先生に聞いてきた。
「どうしてそう思うのですか?」
「この任務は下手をしたら日本魔法局との戦争になるかもしれません・・・もしそうなったら・・・」
盛先生は、もし日本魔法局と戦争になるとまだ15歳である彼では対処できないかも知れない、それならナンバーズ内での実績も高い他の人物の方が良いのではないかと思ったのである。
それに葉は四大家系の1つの家系と深い繋がりがある人物でもあり、戦争になるなら全力で戦う事が出来ないかもしれない。
しかし盛先生の心配を打破するかのように校長先生は
「大丈夫です。戦争にはさせませんよ・・・それに私は彼で大丈夫だと思います」
と葉を信じ切った目そして表情で言った。
「ったく、あなたがそう言うと何故かそう思いますよ」
と盛先生は校長先生のに言われると呆れながらも自分も葉を信じようと思った。
******
葉は有戸町にある商店街に来ていた。
校長先生達と話が終わった後、時差ボケを解消するために散歩をしようと思い色々な所を散歩したのだが問題が起きてしまったのである。
「・・・どこだ?ここ・・・」
そう、葉は自分が今どこに居るのか分からない状況、つまり迷子になってしまった。もちろん携帯電話にあるGPS機能を使おうとしたが携帯電話は電池切れで使う事が出来なかった。
幸いにも自分がこれから住む家の住所が書いてある紙は持っているのでこの町の住民に聞けばいいのだが高校生にもなって迷子になったから道を教えてくれと聞くのは正直恥ずかしいと葉は思っていた。
しかし背に腹はかえられる状況では無いので商店街の広場にいた同じ歳ぐらいの女の子に道を聞こうと思ったその時
「おらおらおら!!」
と商店街内をバイクで暴走をする三人組の不良が現れた。
この商店街内は車やバイクは通行禁止である。
つまりこの不良達は交通違反をしていた。「しょうがないなぁ」と思い商店街の広場で暴走している不良を取り締まりに行こうと葉はしようとしたその時
「止めなさい!!みんなが迷惑しているでしょ!!」
と葉が道を聞こうとした女の子が不良達の前に出てきた。
「何だ?テメェは?」
と不良の1人が言ってきた。
「特別執行部です。大人しくしなさい」
『特別執行部』それは各国の魔法局が置いている機関であり日本では中学1年生から高校3年生までの間に入る事が出来る機関である。
一度、特別執行部の資格を会得すると不祥事を起こさない限り転校などをしても他の地域にある支部に入る事が出来る。
入るには適性検査にクリアしなければならないが入る事が出来ると内申点が上がるという利点がある。
表向きの活動内容は地域の治安維持活動であるが実は多くの子供達が成長期を迎える時期に実戦的な経験を積ませて一流の魔法使いを育て、国の力を強くするいう目的があるがこの事を知っているのは一部の人達だけである。
日本では桜をモチーフにしたエンブレムのついた顔写真付きの専用手帳が特別執行部の証となっている。
彼女はその証である手帳を不良達に見せた。
「あれ?あの子・・・」
葉は特別執行部の彼女に見覚えがあった。それはさっき見た写真の子、盛幸村の娘、盛愛花であった。
「へぇ・・・特別執行部に入ってたのか、あの子」
などと葉が感心している時、不良達は愛花に詰め寄っていた。
「小娘1人で何が出来るって言うんだよ。少し脅かしてやりな!!」
と1人の不良が言うとバイクに乗っていた2人がバイクで突っ込んで来た。
しかし愛花は冷静であり、突如その場から消えた。
そして上空から
「『ホーリーハンド・ダブルビックパンチ』」
と言うとデカい手の形をしたパンチが上空からバイクで突っ込んで来た不良達を押し潰した。
不良達はそれをマトモに喰らい気絶をした。葉はそれを少し離れた場所から見ていて感心した。
「へぇ・・・光属性の攻撃魔法・・・それに今の上空からの攻撃、あの子、幻術魔法を使えるみたいだなぁ」
幻術魔法というのは相手に幻を見せる魔法の事である。
さっき彼女が消えたのは幻であり、幻に気を取られている隙に自分は上空に跳んで攻撃の準備をしていたのである。
「中々やるじゃねぇか。小娘が」
と最後の1人がバイクを降りて言った。
「アナタもこうなりたく無かったら大人しくして下さい」
と愛花は丁寧な口調で言ったが目は真剣であった。
「俺をコイツらと同じだと思ってんじゃねぇぞ」
と言うと不良は手のひらに火の弾を出した。
「喰らいな!!」
と言うと不良は火の弾を愛花に向けて投げ込んだ。
【ドォン】
と不良の攻撃が愛花に当たったかのように見えたが愛花はまた幻術魔法を使って不良の後ろに回り込んだ。
そして
「『ホーリーハンド・ビックパンチ』」
と攻撃魔法を放ったが相手は不適な笑みを浮かべて上に跳んでこの攻撃をかわした。
「テメェがさっき幻術魔法を使っていたのは分かってたんだよ」
と攻撃が避けられた事にびっくりしている愛花に言った。
彼女は幻術魔法で攻撃を避けて相手の死角をついて攻撃をする戦闘スタイルである。しかしさっきの不良2人との勝負でその戦いをこの男は見ていた。
なのでこの攻撃をかわした後、自分の後ろから攻撃をしてくるのを読んでいたのだ。
「いくぜ・・・火と風による合成魔法」
と言うと左手に火を右手に風の魔法を作り出した。
合成魔法というのは別属性の2種類以上の魔法を合わせる事で強烈な魔法を作り出すという魔法である。
「『バースト・ウィング』」
と言うと強烈な火炎放射が愛花に向かって来た。
彼が使った魔法は風の力で炎を増幅させ少ない魔力で強烈な火属性の魔法が使える魔法であるようだ。
(しまった!!かわせない)
と愛花は諦めたかのように目を瞑った。
【ブォン】
と強烈な火炎放射が愛花の居る場所を通過した。
不良の男は「ザマアミロ」という感じで勝ちを確信していたが
「なぁに勝った気でいるんだよ?」
と火炎放射が通過した場所、つまり愛花が居た場所から声が聞こえたのだ。
それを聞くと不良の男は驚いたように声のする方を見た。
するとそこには黒透明の結界が作られていた。
しばらくすると結界は無くなり
「真打ち登場!!・・・なぁんてな」
と1人と男性が言葉を発した。
その男性こそ今まで不良達と愛花の戦いを見ていた人物、ナンバーズ、No.ⅩⅢ『漆黒の流星』の異名を持つ15歳の少年、黒神葉であった。
作者のぼやき
久しぶりの更新です。
今度からはもっと早く更新できたらいいなと思います。
あと、0話と1話の話を少し直しました。それでは次回の後書きで会いましょう!!!