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漆黒の流星  作者: ショウ
5/6

1:目的

本編の始まりです

東京のとある町、有戸町、この町の山にある学校の校門の前に葉はいた。



「ここが明日から俺が通う学校、鳳真高校か・・・」


と黒神葉は校門前でつぶやいた。


「全く、リィーリアもこんな無茶苦茶な依頼を俺に頼むなっての」


と頭をかきながら嫌みのように言うのであった。




*****




1ヶ月前の魔法連合本拠地


「俺が学校に行くのか!?」


と葉は自分が学校に行くことに驚きながら言った。


「えぇ、何か不満でも?」


とリィーリアはそんな葉の疑問を流すかのように笑顔で言った。


「いや、不満は無いけど・・・ってかお前も知ってるだろ?俺は今までまともな学校に行ったことは無いんだぜ」


そう、葉は今までマトモな学校に通った事は無い。葉は母親が亡くなった後、戸籍上親戚の1人と父親のいるイギリスに来たときに魔法連合に入った。一応、魔法連合内で勉強をしたがマトモな学校には1度も行ったことは無いのである。


「それも踏まえて、あなたにこの依頼を頼みたいのです」


「どういう意味だ?」


と葉は頭に?マークを出しながら言った。


「あなたには少し一般常識が抜けていると思います。なので一度ちゃんとした学校に通わせようと思ったのですよ」


「あ~なるほど・・・って、なんか俺の事をバカにしていないか?」


と葉は乗りツッコミをしてフィーリアを睨んだが


「そんな事はありませんよ」


とフィーリアは笑顔でその睨みを流した。


「それでどうしますか?引き受けるんですか?」


とリィーリアに聞かれ葉は睨むのを辞めてしばらく考えて


「引き受けるよ。俺も一度でいいから学園生活ってヤツをエンジョイしたかったからなぁ。それで今回の仕事は?」


「それは現地に行ってから聞いて下さい」


「現地に行ってから?」


「えぇ、あなたが入学をする鳳真高校の校長先生は私達(魔法連合)と繋がりがある人ですから。だからあなたを簡単に入学する事が出来るんですよ」


「なるほどねぇ・・・」


と葉はすんなり納得をするのには理由があり魔法連合の人達は世界各国の情報が欲しいために表向きの顔は先生などの仕事をしているが実は魔法連合の人、もしくは何らかの形で魔法連合と繋がりがある人物が何人かいるからである。



「それではNo.ⅩⅢ、『漆黒の流星ブラックスター』あなたに日本への任務の依頼します。依存はありませんね」


と先ほどの軽い感じの会話とは打って変わって真剣な表情でフィーリアは言った。


「イエス、マム」


と葉も背筋を伸ばし敬礼をしながら真剣な表情で言うのであった。




*****




鳳真高校 受付


「すいません」


と葉は受付にいる人を呼ぶのであった。


「はい、何ですか?」


と女性の人が出てきた。


「俺は明日からここに入学する事になった黒神葉ですけどここの校長先生と会うことは出来ますか?」


「校長先生と?ちょっと待ってて下さいね」


と言うと受付の人は校長室に電話をするのであった。


「校長先生からの迎えが来るみたいですからそこの椅子に座ってて下さい」


と受付の人が言ったので待合室にあった椅子に座るのであった。



(それにしても眠いな)


と目を擦りながら思うのであった。


(今イギリスでは深夜2時だからな。やっぱり長距離の任務では時差ボケがキツいな)


と葉が心の中で嘆いていると


「黒神葉君だね?」


と年齢は30後半の男性が葉に声を掛けるのであった。


「そうですけど、あなたは?」


と言い葉は立ち上がった。


「ここの学校で魔法学を教えている盛幸村もりゆきむらだ。校長先生から君を迎えに行くように頼まれてね」


「そうですか。それではさっそく校長室に行きましょう」


と葉が言った後


「その前に一つだけ聞きたいことがあるんだけどいいか?」


と盛幸村に言われたので葉は「良いですよ」と言うと盛幸村は唇を動かし始めた。


「(君が魔法連合から来た漆黒の流星ブラックスターだな?)」


「なっ!?」


「(さすがは漆黒の流星ブラックスター15歳で読唇術を心得ているのか)」


読唇術というのは唇を動きで相手の話を読むことが出来るというものである。

会得するのが難しい代物だがナンバーズの人物なら誰でも使う事が出来るモノでもある。


「まさかあなたも・・・」


と葉は盛幸村も魔法連合の人だと思ったがそれを見た盛幸村は一度鼻で笑い


「その話しは歩きながらでも話すよ付いて来な」


と言い盛幸村は歩き出すのであった。




*****




鳳真高校の廊下


葉と盛幸村は並んで歩いていた。


「それであなたも魔法連合の?」


「元だけどな。今は学校の先生をやっている」


「へぇ~、そうだったのか」


と葉は納得したように言うと腕を頭の後ろで組みながら歩くのであった。

しばらくすると


「着いたぞ。ここが校長室だ。くれぐれも無礼の無いようにするんだぞ」


「ヘ~イ」


と葉は軽い気持ちで言うのであった。

そして盛幸村が校長室をノックした後、2人は校長室に入った。


「校長先生、漆黒の流星ブラックスターを連れてきました」


「どうもありがとうございます、盛先生」


と言ったのは見た目は60歳ぐらいの優しそうなおばあちゃんであった。


「えっと、あなたが俺に任務をくれた人ですか?」

と葉は校長先生は怖そうなおじさんと想像していたのだが実際は優しそうなおばあちゃんが校長先生だったので拍子抜けた感じで言った。


「無礼な行動は慎んだ方がいいぞ。何せこの方はお前の先輩に当たるのだからな」


と盛幸村は言った。


「へ?」


と葉は先輩と聞いて声を裏返してしまった。


「この学校の校長先生が魔法連合の人だったとは聞いているのな?」


と言われたので葉は頷いた。


「この方、梅村花うめむら はな校長先生は元最強の番人ワールドナンバーズの人物で番人名ナンバーネーム『桜の妖精チェリーフェアリー』と呼ばれた方だぞ」



とニヤケながら盛幸村は言うのであった。


「桜の妖精チェリーフェアリー・・・って当時ナンバーズのNo.Ⅰだったあの・・・」


と校長先生が魔法連合の人物とは聞いていたがナンバーズの人物だとは聞いていなかったので葉は驚くのであった。



「懐かしいですね。けどそれは30年以上も前の話ですよ。今はこの学校の校長をやっているタダのおばあちゃんですよ」


と校長先生はクスクスと笑いながら言った。


「タダのおばあちゃんって・・・」


と葉は校長先生の発言に呆れるのであった。


「では本題に移りましょうか」


と校長先生は両肘を机に置き言った。


「あなたに依頼をしたい任務は日本の治安維持活動・・・という所です」


「日本の治安維持?それなら別にナンバーズじゃなくても・・・」


「そういう訳にはいかないんだ」


と盛幸村も話に入ってきた。


「今回の任務の裏には日本魔法局の不祥事があるんだ」


「日本魔法局の不祥事?」


「えぇ、最近になって日本魔法局がおかしくなってきているのです。公には出てませんしまだ確証もありますんが日本魔法局・・・それも上層部うえで起きている事なのです」


「それなら魔法連合の権力ちからを使えば何とか「ならないな」」


と葉が魔法連合の力を使えば何とかなると言おうとしたが盛幸村がそれを阻むのであった。


「日本魔法局は世界でもかなりの力を持った機関だ。特に日本魔法局に籍を置く四大家系はナンバーズと同等の力を持っている人達だからな。下手をすれば・・・」


「下手をすれば魔法連合との亀裂が出来ると言うのか?」


「そうだ。魔法連合としても今の日本魔法局との関係を悪化させたくない考えが少なからずある」


「だから思い切った調査は出来ないと・・・」


確かに日本魔法局は世界的にもかなりの力を持っている機関であり四大家系と呼ばれている人達は日本では切り札として君臨している人達である。

しかし不祥事を放っておくわけにはいかないので葉は調査が出来ないことを納得出来なかった。


「だからあなたを呼んだんですよ」


「え?」


「もし日本魔法局の不祥事が発覚した場合は直ぐに討伐出来る環境を私達は作っておきたいのです」


と校長先生に言われたが葉は何の事を言っているかチンプンカンプンであった。

その葉の様子を見た盛先生が呆れながら説明を言う。


「つまりだ、ナンバーズの権力は国際的にも通用する権力を持つからな・・・それにまだナンバーズに入って二年のお前は顔がまだ日本魔法局に知られていないからな。日本魔法局にも悟られずに環境を作ることが可能になるのさ」


「それに学生という肩書きを付けておけば日本魔法局の人達もあなたが魔法連合の人だとは思わないと言うわけですよ」


「あぁ、なるほど」


と盛幸村と校長先生の言う説明で納得するのであった。


「・・・と、まぁコレがお前に与える依頼だが俺から言いたいことが一つある」


と言い盛幸村が葉に近付いて来た。


「言いたいこと?」


「あぁ」


と言うと盛幸村は葉に写真を渡した。

その写真には肩まで髪が伸びたかわいい女の子が写っているのであった。


「誰?この子?俺と同じ歳に見えるけど・・・」


「俺の娘の愛花だ」


「先生の娘!?」


と葉はびっくりして心の中では「似てねぇ」思った。


「いいか、黒神」


と低い声で言った後、盛幸村は葉の両肩に手を置き


「お前がこの任務で学校に入学するのを良いことに俺の娘にし手を出してみろ!!!そしたら俺は例えお前がナンバーズの人間だとしても俺は貴様を八つ裂きにするからな!!!」


と盛幸村は鬼の形相で言ってきた。


「そんな事するわけ「いいな!!!」」


「い、Yes sir(承知いたしました)」


と盛幸村の鬼気迫る迫力に圧されて葉は背筋を伸ばして言うのであった。


(相変わらずの親バカですねぇ)


と校長先生は呆れながら2人を見るのであった。



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