1/2
BGMは『ほおずきよりも紅い魂』で。
「おはー」
「おはざーす」
「お早うございまーす」
「おう」
数時間後
「ちぃ聞いてくれよ〜!」
「んだ?」
「俺ん家人形屋だろ!?」
「今では珍しくな」
「でさ! 家に有る日本人形の髪がぞぞぞ〜って」
「伸びるのか?」
「おう!」
「……ネガティブ人間め。」
「えちょ!?」
「家では暗い気持ちを抑えろ。髪の色が暗い人形は、負の力を吸い込んで髪が伸びるんだ。此れは負の力も黒いため、同じ黒の髪に吸収される。と言う事らしいぞ?」
「え!?」
「その為、日本人形は半年〜一年経ったら捨てるべきだ」
「……捨てなかったら?」
「喰われるな」
「……ッ!」
「……ふん」
……今話を聞かれていた青年。
名は『十緋 流獲観』。
霊感がそこそこある程度の能力を持つ。
そして、相談をしていた青年、『亞白 瞳』。
高校二年生。
……今から始まる。
終わりも始まりも無い、始まり。
……其所には君が居る?
……其所には僕が居る?
……其所には誰も居ない。